90 / 90

先輩と後輩4

「……おれの方が、もっと好きです」 「え。そこ否定してくか…?」 「好きなんです!……大好きなんです。どうしようもないくらい……好きです…」 僅かに震えた陽彩の声。 その声を聞くだけで、堪らなく愛おしくなった。 絵を描かせてください。 そう言って俺に声をかけて来た陽彩。 そんなおかしな後輩を、俺はいつの間にか受け入れていた。 そして、恋に落ちていた。 冷えた風が、火照った頬を撫でていく。 もう少しで、新しい生活が始まる。 それでも、いつまでも俺の隣には、陽彩がいて欲しい。 いつまでも、いつまでも、この後輩に恋をしていたい。                 fin.

ともだちにシェアしよう!