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恋人_4
いつもより少し速い篠原の心音が、耳を押し当てた胸から伝わってくる。
「うん、知ってる。もう十分分かってるよ」
顎を掬われて落とされる優しい口付け。
もう何回キスしたかなんて数えるのをいつしか止めてしまった。
確実に言えるのは俺が篠原に告白した回数なんて優に超えてしまってることぐらい。
「……触っていい?」
「……うんっ……うん、いっぱい触って……」
「……あー………薬、効いてないんじゃないかって思っちまうな」
抱え上げられた俺の身体は苦笑した篠原と向き合うように腿の上へと乗せられる。
だから、その、篠原のが当たって……しかもかなり大っきい……。
「分かる?ガチガチなの」
「あ……ぅ……ぅん……」
「俺、今すげー興奮してる」
いつも優しい篠原の目が欲を孕んで俺を見据えてる。
それだけで身体が悦んでるのを感じた。
抑えられない欲求が沸々と溢れ出す。
触られたい。もっと触って、めちゃくちゃにされたい……。
榛葉のフェロモンを浴びた時の乱暴な欲求とは違う。自ら望んでαを、篠原を受け入れたいと渇望してる。
やり場のない欲をぶつける様に、篠原の首に腕を回して唇を重ねた。
驚いたのか一瞬篠原は固まって、だけどすぐに力強く抱き締められる。
数回啄み合い、自然と舌同士を絡ませ合う。
「……っ……ふぅ……、ぁ…………」
もっともっとしたくて、後頭部に回した腕をぐっと引き寄せた。それに応えるように篠原の舌は口腔を奥まで犯そうとしてくれる。
上顎や歯列をなぞられる度に下腹部が疼いて堪らない。
「……ん、……ッ…………ふぅ……あっ――!?」
急に襲ってきた腹部を触れられる感覚に、条件反射で腰を引いてしまう。
「無理なら途中でもいいから言えよ。ちゃんと止めるから」
「ん、やだ……やめない……っ……やめないで……もっと触って……嬉し、から……」
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