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第一章・2

「おう、夏目。宿題見せてくれよ」 「いいよ。何問?」 「数学、5問」 「毎度あり~♪」  一問100円で、都は宿題のノートを貸し出した。  難しい問題が出た時は、稼ぎ時だ。  都は主に、宿題の代行をやっていた。  もちろん『何でも屋』というからには、他の仕事も選ばない。  シューズの洗濯、購買への使い走り、掃除当番。  ラブレターの代筆、なんてものまでやってのけた。  そうやって小銭を稼いでは、弟たちの面倒を見ていた。

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