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第四章・3

 辺りはようやく暗くなり、都は徳用の手持ち花火を取り出した。 「雄翔には、物足りないと思うけど」 「そんなことないさ。懐かしいよ」  ろうそくに火を灯し、花火を近づける。  たちまち花火は勢いよく火花を散らし、煙を吐いた。 「わぁ、綺麗きれい!」 「煙、こっちに来るぞ。風上に立とう」  パチパチと爆ぜる火花に彩られる、二人の笑顔。 「手持ち花火も面白いな!」 「ぐるぐる回しちゃう~」 「何だ、これ。拳銃の形の花火がある」 「あ、それ派手なヤツ! やってみて、やってみて!」

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