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第六章・2

 挿れた時と同じように、優しく雄翔は都から引き抜いた。 「都、俺の初めてを受け入れてくれてありがとう」 「……」  無言で脱力している都に、雄翔は心配そうな声をかけた。 「大丈夫か? やっぱり、イヤだった?」 「……ううん」  都は、ゆっくりと雄翔に腕を伸ばした。 「ね、もう一回しよ?」 「都?」 「今度は、スキン着けないで」  不感症になった、と泣いていた都の豹変ぶりに雄翔はとまどった。 「あ、あの。平気なのか? どこか痛いとか、ないのか?」 「もう一回抱いてもらえたら、不感症治るみたいな気がする」  その都の目は、物欲しそうに潤んでいる。  雄翔は瞼を閉じ息を吐くと、その誘惑を全身に巡らせた。 「いいよ。少し休んでからにする?」 「ううん。今すぐしたい」  都は、今度は両腕を差し伸べると、雄翔の髪に指を梳き入れた。

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