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第六章・4

 都の紅い蕾に指腹で触れると、そこはローションではない何かで濡れている。  Ω特有の、愛液だ。 「僕、濡れてるでしょ? 今、すっごく欲しいんだ。雄翔が」  上ずった声で囁かれると、雄翔も我慢ができない。  指で蕾を押し開くと、潤滑剤で滑らかに整えたペニスを当てた。  すぐに、呑み込まれてゆく雄翔。 (内、ほぐれて……、柔らかい……)  みちみちと奥まで押し込むと、雄翔は震えた。  都の体内は、心地よく温かい。  それがきゅんきゅん締め付けて来ると、もうそれだけで果てそうになる。 「み、都。動くぞ!」 「あ、はぁ、んッ!」  二度目なので気持ちに余裕ができそうなものだが、雄翔は逆に追い詰められていた。  都の身体に、声に、熱さに、悶えに。 「んぁ、あぁ! はぁ、はッ! 雄翔、雄翔ぉ!」  ただ無心に自分の名を呼んでくれる存在に、溺れた。

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