64 / 65

第六章・15

「まだ、告白してなかったな」 「ぅん?」 「好きだ、都。俺と付き合ってくれ」 「……うん!」  じゃあ、と雄翔は腕の力を弱めた。 「新しくできた駅前のカフェ、行こうか」  新しい二人の関係にふさわしい、新しい場所へ。  そして秋には、新しい学校へ。 「大丈夫か?」 「ちょっと、ふらつく」  よろめく都を、雄翔はしっかり支えてあげた。 (新しいカフェで、ブラックコーヒーにもう一度挑戦だ)  今なら、もう飲める気がする。  疑似恋人ではなく、本当の恋人になってくれた都を、雄翔はしっかり支え続けた。

ともだちにシェアしよう!