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第六章・15
「まだ、告白してなかったな」
「ぅん?」
「好きだ、都。俺と付き合ってくれ」
「……うん!」
じゃあ、と雄翔は腕の力を弱めた。
「新しくできた駅前のカフェ、行こうか」
新しい二人の関係にふさわしい、新しい場所へ。
そして秋には、新しい学校へ。
「大丈夫か?」
「ちょっと、ふらつく」
よろめく都を、雄翔はしっかり支えてあげた。
(新しいカフェで、ブラックコーヒーにもう一度挑戦だ)
今なら、もう飲める気がする。
疑似恋人ではなく、本当の恋人になってくれた都を、雄翔はしっかり支え続けた。
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