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第六章・14
「雄翔!」
悲しい涙が、嬉し涙に変わった。
ハンカチに顔を埋め、新しい涙をしみこませた。
雄翔の香りのするハンカチ。
都は、その香りを思いきり吸った。
「あ……!」
「どうした?」
「やばい」
「何が!?」
は、発情する!
今まで感じたことも無い感情が、強くせり上げてきた。
「ど、どうしよう。あぁ、何か、僕もうダメ!」
慌てる都に微笑むと、雄翔はゆっくり立ち上がった。
そして、長い腕で都を引き寄せ、広い胸に抱いた。
「これで少しは、落ち着く?」
「う、うん」
雄翔の胸って、こんなに深かったんだ……。
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