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⑫ツンデレ彼氏が甘々なんですけど ─雷─⑤※
俺の頭をなでなでしてくれんのは嬉しいんだけど、何にも喋んなくなった迅を盗み見るといつの間にか天井を向いていた。
俺の視界からはゴツいネックレスと、男らしい喉仏が確認出来る……とか思ってたら、喉仏が上下に動いた。
そんな……ッ、ゴクッとしちゃうほど気持ちいいのか……ッ?
お、俺も美味いよッ、謎の味だけど迅のカウパー絶妙に好きだよッ。
パクッは要練習かもしんねぇ。 でもペロペロは平気だ。
先っぽもくびれも裏筋も、俺の下手っぴなベロで迅のチン○がビクッと反応してくれてる限り、ずっと舐めてられる。
経験済みの方々には分かるまい。
少しは気持ちいいのかなっ、もっと気持ちよくなってほしいなっ、下手くそでも褒めてもらえるのは嬉しいなっ、なんてことを考えながら、大好きなイケメン彼ピッピのチン○舐めて幸せを感じるなんて処女感は。
「ふ、ん……ッ、ん、ッ……ッ♡」
「雷にゃん……真剣に舐めてんのな? 可愛い」
「んッ、んッ、ぅ、ッ……ンッ♡」
「上手。 めちゃめちゃ気持ちいいよ」
「んんッ? ンッ?」
「まぁどうせ、プリン味の飴玉だと思ってやってんだろーけど? 雷にゃんアレ好きだもんな?」
「んーんッ、んッ!」
フッ……て! そこは笑うとこじゃねぇ! 照れ隠ししてんじゃねぇぞ、イケ迅め!
俺はペロペロしながら首を振って訴えた。
「違うの? じゃあなんでそんな上手いんだ?」
「んはッ……! 迅のだから! 迅に気持ちいいって思ってほしいから!」
「…………ッッ」
「えッ、おい、ちょっ……吐血三回目だぞ!」
出た、このオーバーリアクション。
口元を押さえて俺から顔を背けるこれが、迅の最大級の照れ隠しなんだった。
俺が普通に思ったことを言う度に、この反応されるんだけど。
いいのか? 俺はこれ、喜んでいいのか?
お、……今回は目まで瞑ってやがる。
俺もう少し舐めてたいから、勝手にやってるぞ?
「迅、あとちょっと舐め……」
「雷にゃん、……」
屈もうとしたその時、迅が眩しいものでも見るみてぇに薄目で俺を見た。
てかウソ……またこの目だ。 黒豹が獲物を発見して、捕らえる間近のギラギラ眼。
四つん這いになって捕らわれた俺はめちゃめちゃヘンな格好で一時停止せざるを得なくなって、次の瞬間コロンッと押し倒された。
「あぅッ♡ な、なんだ……ッ?」
「フェラおしまい」
「えッッ!?」
「ケツいじらせろ。 もう限界」
「……ヒィッ……!」
なんでぇぇッ!? そんなに急にペロペロ終了ってアリ!?
ギョッとした俺を押し倒した迅の右手には、すでにローションがスタンバっていた。
もっと舐めたかったよ〜、ってねだりも出来ねぇくらい、迅の行動は早かった。
「雷にゃん、うつ伏せなって」
「ヒッ……! は、はいッ」
「ん。 腹の下にタオル置くから苦しかったら言って」
「いつの間に……ッ?」
「最初から持ってきてたけど。 大丈夫? 苦しくねぇか?」
「そ、そ、そうなんすね……苦しくねぇっす」
分厚い高級ホテル仕様の新しいバスタオルが二枚折りたたまれて、うつ伏せになった俺の腹の下に入れ込まれた。
さすがと言うべきなのか。
準備怠らねぇのは童貞男子にはありがてぇんだけど……複雑だぜ、ちくしょー。
強制的に腰が上がった格好は恥ずか死ぬ寸前だし、背後でローションのキャップを開ける音も生々しくてほっぺたが熱くなる。
俺このままジッとしてたらいいのかな。
ペロペロからの指一本レッスンへのモチベ切り替えに、少々時間を頂きたいんだが。
「俺ローションって使った事無ぇんだけど、……冷てぇな」
「へぇッ? 冷たいんだ? 触らせてよ」
「ほら」
中身に触れたらしい迅の感想が気になって、振り返って手のひらを差し出した。
たらりと乗った冷たい触感。
たしかにヒヤッとはするけど言うほどでもなくて、俺はそんな事より……。
「わ、うわわぁぁッッ、てか思った以上にネチャネチャすんだな!」
「……出来るだけ手のひらで温めるから、少し我慢な」
いやいや、人肌で温めてくれるとかどんだけ優しい彼ピッピなんだよ♡
迅の初ローション体験を俺がもらったことも嬉しい。
これからいっぱい世話になる予定だからな。 冷たいだの、ネチャネチャするだの、溶けかけの水あめに似てるだの、俺はそんな小せぇ事いちいち言わねぇよ♡
「迅ってマジで優しいよなぁ……♡ 俺冷たくても平気だからなッ? 体ビクッてなっても気にしないで続けてくれ!」
「フッ……お前はホント可愛いな」
「かわッ……」
甘ぁぁい!! 迅のこと優しいって褒めたら〝可愛い〟が絶対返ってくる!!
手のひらの中でねっとりローションを温めてる卑猥な光景がそこにあっても、それが俺のケツに塗りたくられるものであっても、なんだろう……新しい扉開けちまうってのに恐怖が一切無ぇ。
迅がヤリチンで手慣れてるからって、そういう意味じゃねぇよ?
初めてのペロペロを無心でやっていられた、迅への好きって気持ちとか幸せな気持ちとかで体ン中がポカポカドキドキしてて、早く先に進みたいって脳ミソがくすぐられてんの。
いつから、どのくらい、迅が俺のこと好きなのかは分かんねぇけど。
チン○をガン勃ちさせたまま、やらしい液体を俺のために温めてるなんて尽くされてんじゃん。 愛されてんじゃん、俺。
「……そろそろいいか」
「…………ッッ!」
迅が動いて、ベッドが軋む。 パリッとしたシーツの擦れる音がすでにやらしい。
浮いたお尻はどうしてたらいいんだ? 動かさねぇ方がいい?
人肌で温めたローションが直に穴に入ったらどんな感じがするのか、自分では指を挿れられもしなかったから緊張感増し増し。
「ふぅ、……」
……ふと迅がため息を吐いた。
ここでそれはやめてくれよ……ッ、俺がやるならともかくさぁッ。
「な、なにッ? なんのため息ッ?」
「ため息じゃねぇ。 正気保とうと頑張ってんの。 雷にゃんのアナル直視とか俺にとっちゃ即イキもんなんだよ」
「え、あッ……う、うぁ……ッ」
それホント?と聞き返せなかった。
いつもより低いイケボがそんなこと呟いてスグ、お尻にネチャネチャローションを塗りたくられた。
ドキーンッ!と心臓が跳ねた俺は、迅が腰を押さえてくれてなかったら、ちょっとだけ逃げてしまってたかもしれない。
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