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⑮勝負 ─迅─③※
ここまで言えば、いい加減分かってくれただろ。
俺がどんだけ雷を大事にしてるか。
好きって感情を知らなかった俺の前に、いきなり現れて心をかき乱したあげく、とうとう掻っ攫いやがった自覚を持て。……と言っても、コイツには分かりやすい言葉で表してやるのが一番だ。
「雷にゃん」
一発目の射精が落ち着いてきたのを見計らって、火照りまくった小せぇ体をガシッと抱く。
普通ならこれでおとなしくなるんだが、こういう時の口癖が「恥ずか死ぬ」の雷は違う。
猫目をうるうるさせて、振り向きざまに睨んでくる生意気さが可愛くてしょうがねぇ。
……クソ可愛いな、畜生。煽りやがって。
「な、なんだよ……ッ」
「好きだ」
「ヒッ……!?」
「好きだ」
「ぐぬッ……!」
「マジで好き。好きだ」
「お、おいッ!? なんでそんな連呼すん……」
「分かった?」
「わ、わ、わわわ分かった! 分かったからあんま連呼してくれるなッ!」
俺の腕から逃れようと、ジタバタする雷の耳が真っ赤だ。
〝好き〟を連呼して恥ずか死にそうなのは俺も同じだってのに、なんでコイツの方が羞恥レベル上回ってんだよ。
「……照れてんの?」
「そりゃ照れるだろ!! こんなすっぽんぽんの時に言うなよッ! しかもそんな……ッ、ギンギンの迅様を自慢しながら好き好き言うんじゃねぇ!」
「不思議だよなー。これがまた全然萎えねぇの」
「で、ですよね! 立派です!」
その場でパチパチと拍手された俺の気持ちを考えろ。
勃起時の俺のチン○を〝迅様〟と敬称付けて呼ぶの、やめてくんねぇかな。
そりゃそう呼びたくなるのも分かるし、自分でもガチで立派だとは思うから謙遜するのも逆に嫌みだ。
俺のブツを褒めるより、萎えねぇ事を褒めてくれ。
関係ねぇ話をしてようが、今日も雷を貫けねぇと我慢を強いられようが、こうして肌に触ってその感触を感じてるだけでギンギンになるんだ。仕方ねぇだろ。
しかもさっきまで雷の中に俺の指が入ってたんだぞ。何日も何日も我慢して、俺らしくねぇ遠慮までして。
「雷にゃん、続きしていい?」
「ひぃッ!?」
「一本はいけたから。次二本目、……いいだろ?」
まだ弄り足りねぇっての。
挿れらんねぇ代わりに、せめて楽しませてくれ──と意思を持った〝迅様〟がそう申してるんで。
……放尿見らんなかったし不完全燃焼なんだよ、俺は。
「ダメって言ったらレッスン中断してくれんのか!?」
「……悪いけど今日はやめる気が無ぇ」
「ほら見ろ! やっぱ迅の思うツボじゃねぇか……って、指挿れ……るなぁぁッ♡」
うるせぇ、と心ン中で毒吐いて、ボディーソープで滑らせた中指を穴に挿れ込む。暴れねぇように雷の体を抱きしめたままだ。
「はぁ……ヤバ……」
難無く入った指が、途端に強い締め付けに遭って息が漏れた。絶対に口には出せねぇが、どうしても〝挿れてぇ……〟と項垂れるのだけは許してほしい。
指を限界まで挿れて、ゆっくり根本から回してみた。アナルの開拓は初めてだが楽しい。
さっきよりかなり解れてきてる。
これなら二本目も痛み無くいけそうだ。
挿れられるのに慣れてきた雷が、意識的に力を抜こうとしてんのかもしんねぇな。でももしそうだとしたら、言ってる事とやってる事違ぇじゃん。
俺よりレッスン開催を望んでたお前が、今さら中断したいとか思ってねぇ事くらいお見通しだ。
中をゆっくりかき回してると、華奢な背中がどんどん曲がっていく。
壁に手を付いてろと命令する前から、自分でそうしてんのクソほど可愛いんだが。
「迅〜……ッ♡ うぇぇん……ッ」
「〝思うツボ〟って使い方違ぇと思うんだけど」
「はぁッ♡ ン……ッ! うぅッ♡」
「聞いてる?」
「ンなの、今はどうでも……ッ! ひぁッ♡ あッ♡ ダメだ、迅……! なか、ゆび、回すな……ッ」
「回さねぇと拡がんねぇんだよ。……分かるか? 入り口だいぶやわらけぇぞ」
「わ、分かるか! 俺は処女なんだぞっ」
「はいはい、力むな力むな」
喚くとさすがに穴は締まる。ただ喋る時に力が入んのはしょうがねぇ。雷は特に、いっつも無駄に腹から声出すしな。
それにしては……うん。
中がギュッとなって締め付けられんのは気持ち良くていいんだが、これが俺のチン○だったらと思うと……若干の恐怖。
遅漏と名高い俺が即イきなんて、虚しいっつーか恥ずか死ぬっつーか。
「迅……ッ、なんかヘンだ……! な、なんか……ッ」
「なんか、って言われてもな。どうヘンなのか説明してもらわねぇと」
「説明ッ!? それはムズい……ッ! ひ、あぅッ♡ にゃうぅぅ……ッ♡」
「こうやってかき回されんのが〝ヘン〟なんだろ?」
「そ、そう……ッ! そうなんですぅぅッ!」
「これは慣れてもらうしかねぇよ。いずれここに俺のが入んだぞ? 指でトロットロにしとかねぇと。怪我させちまったらどうすんだ」
「そ、そんな……! ンあぁッ♡ あっ♡ 迅の迅様なんて、む、ムリだよぉぉッ!」
チビな雷はケツまで小せぇ。アナルはもっとだ。
早く二本目を挿れてみたくても、ドン引きなほど慎重な俺はとことんらしくねぇよ。
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