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20ついにオトナになりました!? ─雷─※

 「死んだ」と思った〝雷にゃん拉致事件〟と、〝俺たちのドキワク初体験〟は何にも関係無えじゃん!  やり方はクソだけど、八代はただ俺を拉致って告っただけなのに(それがまず色々間違ってるけども)あんなにフルボッコにされちまって。  心配かけたのはごめんだしムカつく気持ちも分かるけど、どう見ても迅はやり過ぎだった。  俺が今まで見てきた迅の立ち回りなんか、ちょちょいのちょいなお遊びだったんだなって。完全に怒り狂った迅を見て、俺はぶっちゃけドン引きした。  迅を怒らせるのはやめよう。  タックルでしか止められなかった俺はそう心に誓ったのに、なんと今日は清く寝ようとか言い出して、今度は俺が激おこだ。  俺と同じくらい、迅も俺との初体験を楽しみにしてたんじゃねぇの?  そのためのレッスンだったんだろ?  俺とプラグさんを引き合わせといて、それは無えぜ。 「……はぁ? 準備万端?」  何がなんでも今日がいいッ。  今日じゃなきゃイヤだッ。  ──と、まるでヤりたくてしょうがねぇ中坊みたいに駄々をこねて、ついには我慢できなくなった俺はプラグさんとの珍道中を匂わせた。  だけど迅は、また俺が意味不発言してると思ってる。  怪訝そうというかあからさまに不機嫌なツラで、眉間にシワを寄せていた。 「意味分かんねぇ。何の準備?」 「こ、こんなにモジモジしてんだから分かるだろ!」 「いや、さっぱり」 「ぐぬぅぅーーッッ!!」 「鳴くなよ。可愛いだけだぞ」  なんで分かんねぇかなぁぁ!?  恥ずかしいんだから言わせるなよッ!  思ったより小奇麗で、やらしくも何ともない部屋だけど二人っきり。  諦めらんなかった。  可愛い恋人が拉致られた後じゃ手は出せねぇって、その優しさはまさに王子様的だけどなぁッ?  俺が「大丈夫」って言ってんだから察しろよ!  ジーッと迅を見つめてる俺の視線に、全部の思いを乗っけてんのに効きやしねぇ。  鈍感王子には直接言わなきゃ分かんねぇってか!? 「お・し・り! お尻だ!」 「……はぁ?」 「準備してんの! お尻!」 「……あ?」 「いいから触ってみろ!!」 「はッ? ちょッ、雷にゃ……!」  とにかく俺の本気を知らしめてやろうと、迅の腕をガシッと掴んだ。そんで迷い無く俺のズボンとパンツの中にズボッと手を入れさせて、ぬるぬるな証拠に触れさせる。 「……濡れてる……?」 「どうだ! ヤる気になっ……あぁッ♡」  ピトッと穴に触れた指が、ぐにゅんッと中に入ってきた。  しかもそれだけじゃねぇ。  エロエロ彼ピッピは、そのままその指をクチュクチュ動かし始めた。 「なんでこんな濡れてんの? てか指すんなり入んだけど。……は? もしかして前戯ヤられたのか?」 「えッ!? 前戯!? 誰に!? ヤられてねぇけど……ひぁッ♡」 「ヤシロアツトか。アイツにヤられたんだな?」 「ち、ちがッ……違、……ッ! ひゃんッ」  こんな襲われ方は予想外だぁぁッッ!!  俺のヤる気が伝われば、大人しく寝かしつけようとした迅の気持ちを動かせるかもって思った俺は軽率だった。  誤解しまくった迅は、俺を体に寄りかからせて問答無用の指グチュグチュを継続してる。  ちゃんと拭いたはずなのに、中に残ったローションが留まってるどころか少しずつ垂れてきてたんで、八代がずっと俺を肩に担いでてほんの少し助かってたんだ。  そこから迅とイルミネーションの中をムード満点なラブラブ散歩……だろ。  お尻が気になる、でも時間が経つと「死んだ」体験は怖かった、でもでもお尻が……てな具合に感情がせめぎ合ってたところで、迅の「腕枕で寝ろ」発言。  俺が躍起になるのも当然じゃん。  だからってこんな……ッ、いきなり指をぐにゅぐにゅ動かさなくても……ッ! 「じゃあなんで、ココがこんな事になってんの。レッスンはオッケーだけどココ使ってオナるのはムリだって言ってただろ、雷にゃん」 「そッ、そそそそ、そうなんだけどッ……! てかそんなに指を……グリグリすんなッ」 「立てなくなってんじゃん」 「ひンッ♡」  そうですとも……! プラグさんのおかげで敏感になってた穴を、迅の指がクチュクチュ犯してんだぞッ?  膝が笑って立てなくなるの分かってたから、迅は自分の体に俺を寄りかからせたんだろッ?  その通りになってますけどね! 「じ、迅……ッ、ヤバっ……気持ち、い……ッ」 「雷にゃん、そんなにヤる気満々だったんだ?」 「ひゃうッ♡ さっきからそう言って……ッ! ふン……ッ♡」 「キツいけどこれ……ローションで解しただけじゃねぇな? なんか挿れてた?」 「ご名答ッ!」 「へぇ……」  俺の弱々な視線くらいじゃ止まらない迅の中指が、出たり入ったりしてる。中を拡げるようにグリグリ動かしといて、〝今日はナシ〟なんてよく言えるなぁ?  喘いだり質問に答えたりで忙しい俺は、もはや自力で立ってなかった。  迅は上体を反らせて俺を受け止めたまんま、わざと音を立てるようにして指を動かしてる。  立ったままいじくられんのツラい……。  なんか……とんでもなくやらしい事されてる気になる……ッ。

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