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ザワザワと……5
◆◆◆◆◆
「ユノ!」
家に帰ると出迎えたアキラさんが驚いたような声を上げた。
そりゃあ、上げるよね。雅美さんに支えられて帰ってきたんだから。
「アキラごめん。僕がついてて、ユノに怪我させた」
申し訳なさそうに雅美さんが謝るから、俺も慌てて、
「ち、ちがう!俺が勝手に転んで迷惑かけて、雅美さんは悪くないから」
と弁解した。
「分かったから、とにかく部屋に」
アキラさんは俺をひょいと抱き上げる。
ちょ、雅美さんの前で恥ずかしい!
アキラさんにお姫様抱っこしたままに俺は部屋へと連れて行かれた。
◆◆◆◆◆
雅美さんは俺をアキラさんに任せると、「また、明日。」と手を降って帰って行った。
雅美さんが帰ると直ぐに、
「ユノ‥‥」
アキラさんが俺を後ろから抱きしめてきた。
「アキラさん?」
子供みたいにベタベタとくっついてくるアキラさん。
何時もと少し違うように感じて、仕事で何かあったのかな?と思った。
「本当、ユノは目が離せない」
そう言ってぎゅっと力を入れて抱きしめてくる。
「どうしたんですか?」
「好きだなって思っただけ」
頬を擦り寄せてくるアキラさんはやっぱり変だ。
「チュウしていい?」
耳元で言われて、少し照れた俺は、それでも頷いた。
俺が頷くと、アキラさんの口髭が重なってきた。
柔らかい唇。
押し付けられただけのキスが暫く続き、離れた。
アキラさんの手が俺の頭を撫で、次は頬にキス。
「ユノからもして」
そうお願いされて、俺は体勢をかえてアキラさんと向き合った。
まともに顔を見れないくらいに恥ずかしいから俺は目を閉じてアキラさんに近づく。
俺からキスするはずなのに、アキラさんからキスをしてきて、
それはさっきとは違う激しいものだった。
直ぐに舌が入ってきて、俺の舌を絡んできた。
アキラさんの息遣いが激しい。
俺の頭を抱き込むように腕が回され、そのまま押し倒された。
アキラさん‥‥‥‥
キスが、激しい‥‥‥
そして、シャツの中に手が‥‥‥
ビクンと身体が反応した。
このまま、する気なの?
激しいキスがそう言っているようで俺は少し怖くなった。
アキラさんの手が俺の身体を這う。
触れられる度にビクッって身体が震える。
俺の息遣いも荒いけど、アキラさんの方が荒い気がする。きっと、興奮しているから?
アキラさんのもう片方の手は俺の怪我していない手に指を絡めてきて、恋人繋ぎになった。
手のひらから体温が伝わってくるけど、それと同時に俺が抵抗出来ないように押さえ込まれた感じがして、
やっぱり‥‥‥このまま、するのかな?
不安がつのる。
嫌なわけじゃない。
いつかは体験する事だから覚悟はあるつもりだけど、
怖い‥‥‥‥
どうしてだろう、凄く怖い。
アキラさんが普段と違う感じがするから?
優しくて、俺を大事にしてくれるアキラさんと違うような気がするから?
俺の上に居るアキラさんはアキラさんだけど、何か違う。
凄く、必死で、
凄く、激しい。
身体を弄るアキラさんの手が下へ降りてきて、さらに俺の心拍数が上がる。
やっぱりするんだ!
しちゃうんだセックス。
ジーンズのボタンが片手で器用に外されて、ファスナーも下ろされた。
緩くなったジーンズの中にアキラさんの手が滑りこむ。
もちろん、下着の中に手が入ってきて、俺のを触られた。
やっ、
身体がビクンビクンと震える。
そこ‥‥‥‥
触るの?アキラさん?
汚いよ?
そういいたいのにキスをされているから言葉に出来ない。
はあ、はあ、とアキラさんの息遣いがさらに荒くなって、
「ゆの‥‥‥‥‥す‥‥‥‥き‥‥‥」
キスの合間にそう、繰り返しされた。
アキラさんの手は俺のを掴むと下着から外へ出した。
ひゃ、うそ!
俺のはアキラさんの手の中で少しづつ大きくなってきている。
手を動かされ、反応したみたいだ。
初めてだ。
自分以外のだれにそんな所を触られるのは。
凄く、凄く、恥ずかしい。
誰かの手で勃起させられるってこんなに恥ずかしいんだ!
きっと、顔は赤いと思う。
アキラさんの手は俺の思考回路を停止させ、羞恥心を芽生えさせた。
う‥‥‥くっ、
アキラさん、だめ!
それ以上、触っちゃ‥‥‥‥‥
「く‥‥‥‥‥いく‥‥‥」
俺は無意識にそう言ったみたいだった。
そう言った後、身体が痙攣して、
俺はアキラさんの手の中に射精してしまった。
うそ‥‥‥‥‥
アキラさんの手の中に‥‥‥‥‥
やだ、
もう、やだ、‥‥‥‥
アキラさん、やだよ。
こわいよ。
自分じゃないみたいなんだもん。
恥ずかしいんだもん。
俺がイッてしまったのが手のひらで感じたのかアキラさんはキスを止めて、
「ゆの‥‥‥‥‥していい?」
と聞いてきた。
セックス、するの?
俺とアキラさん、しちゃうの?
俺の返事を聞く前にアキラさんは俺に体重をかけてきた。
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