13 / 133
ドキドキと……
********
夜、メールを受信した。
アキラさんから。
デートしよう♪
アキラさんからの初メール。
俺はメールじゃなく電話をかけた。
「メールで返してくるかと思った」
明るいアキラさんの声。
「………文字より声聞きたいなあって」
正直な気持ちを言葉にしたら、アキラさんが黙ってしまった。
やべえ、引かれた?
「あの、アキラさん?」
恐る恐る名前を呼ぶ。
「ユノ、今、めちゃくちゃ抱きしめたいかも」
その返事はドン引きしてないって事かな?
「車出すからドライブもしよう!夜の都市高綺麗だからさ」
「はい。どこで待てば良いですかね?」
「今から10分後に着くからさ着いたらワン切りするよ」
「はい」
電話を切ると俺は用意をする。
俺は爺様の所有する一軒家に住む。
爺様と雅美さんは写真屋が住居になっているから、そこに住んでいる。
一軒家から写真屋まで歩いて10分くらい。
誰か住んでないと家は直ぐに傷むからって安くで貸してくれてて、一軒家に住めるラッキーな俺。
だからアキラさんも俺んちを知っている。
用意っていっても女じゃないから化粧するわけじゃないし、
そもそもデートって何するんだっけ?
初デートだから良く分からない。
そんな事を考えている間に10分経ったらしく携帯が1コール鳴った。
急いで外に出ると俺に手を振るアキラさんの姿。
「こんばんは」
頭を下げて近くに歩み寄る。
助手席のドアを開けてくれたので乗り込む俺。
「ユノ」
アキラさんは助手席の俺をギュッと抱き締める。
アキラさんの香水がフワリと香。
さっき抱きしめたいと言ってたもんなあ。
「なあ、ユノは抱き付いてくんねえの?」
あっ、
そっか、抱きしめ返すもんなのか。
「すみません、慣れてないから」
両手を回してアキラさんを抱き締める。
ともだちにシェアしよう!