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2話

「肌が白いからキスマーク目立つな」 アキラさんの言葉通り赤い印は花が咲いたみたいだった。 「じゃあ、下も脱ごうか?」 「えっ?」 アキラさんの手が俺のジーンズに。 「ま、待って」 片手で押さえる。 「脱がないと風呂入れないだろ?」 「そ、そうだけど」 俺はジリジリと下がる。 「じゃあ脱がないと」 「だって、」 恥ずかしいっ! 「恥ずかしい?」 アキラさんに心読まれて頷く。 「男同士だろ?」 そうだけど…、でも、恥ずかしい!もう、きっと顔が赤いはず。熱いもん。 「じゃあ風呂の電気は消して、外の灯りで入ろう。前、タオル巻けばいいし」 ううっ、アキラさんってば優しい。 「俺、恥ずかしいのは………その、あの、アキラさんみたいにデカくないから」 「は……………?」 アキラさんは目をパチクリさせた後に大爆笑。 「あははは、嫌がったのはソレでか」 アキラさん、笑い過ぎ。 「そうです。昨日、アキラさんのをみて……自分のと比べたら……」 うわあっ、俺ってば何言ってんだよお。 「ユノ、ばり可愛かよ!もっと好きになった」 アキラさんは頭をがしがしと撫でた。 「じ、自分で脱ぎますからアキラさん目を瞑ってて!」 「はいはい」 アキラさんは目を瞑ってくれたので、彼に背を向けてジーンズと下着を脱いだ。 タオル!タオルを巻かないと! 振り向くと、 アキラさんが目を開けてニヤニヤしてる。 「ちょ、まだだめっ」 俺は慌てて、風呂場へ逃げ込んだ。 アキラさんのばかばか! 電気が消えた薄暗い風呂場でしゃがみ込む。 「ユノ、ごめんごめん」 アキラさんも風呂場へ。 俺はしゃがんだまま。 「ユ~ノ、怒った?」 怒ってない。 恥ずかしいだけ。 俺が黙っているもんだからアキラさんは、俺の顔をのぞき込む。 「ごめんユノ、ユノが嫌がる事は絶対にしないって決めてたんやけど、ごめん」 かなり真剣に謝られて、 「怒ってない。恥ずかしいもん、小さいけん…」 と言った。 「良か、良か、可愛かよ」 「えっ?小さくて?」 俺はビックリしてアキラさんを見た。 薄暗い中でもなんとなくアキラさんの表情が分かる。 「違う、違う、恥ずかしがるユノが可愛いと、それにユノのは小さくないし」 小さくない……、 ああ、やっぱ見られてるんだね。 「んじゃ、身体洗っちゃる」 俺は薄暗い中、身体を洗って貰った。 アキラさんは嫌がる事をしない発言した通り、最後まで薄暗いままで、服を着る手伝いも薄暗い中でだった。 「はい、じゃあユノは先に寝てろ」 と背中押された。 「アキラさんは?」 「直ぐ行くよ」 と風呂から締め出し食らう俺。 ベッドに戻ると携帯が光っていた。 メールを受信していて、差出人は雅美さん。 『寝てたから挨拶も無く帰ってごめんね。明日も様子見に行くから』 嬉しい内容に俺は直ぐに返信をする。 今日はありがとうございました。 明日、改めてお礼言います。もちろん爺様にも。 それと熱は下がったから店に行きます。 このメールを送ると、意外と早く返信が来た。 だめ、明日も休んで。 ええっ、ダメなん? でも、雅美さん心配させるのも気が引けるから、分かりましたと返信した。 「ユノ、何してんだ」 とアキラさんが戻ってきた。 視線を向けると裸族…… 相変わらずの裸族。 でも、パンツは履いていたからホッとした。 「雅美さんにお礼のメール」 「そっか」 アキラさんはベッドに座ると俺の前に薬を出す。 ゲッ、 「………」 「露骨に嫌そうな顔」 クスクス笑うアキラさん。 薬の前に黙りな俺は露骨に嫌そうな顔してたんだと思った。 「手、痛いんだろ?ずっと我慢してたもんな」 ううっ、またバレてる。 「痛み止めだから頑張って飲もう」 差し出される薬。 分かってはいるけど、どうしても手が出ない。 いい加減にアキラさんも怒るかも?って心配になった。 「仕方ない。必殺技」 アキラさんは薬を自分の口の中にポイッと、 その後は持ってきた水を含み、 俺にそのままキスしてきた。

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