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2話-14
「どうせ今日は業者が入って仕事は出来ない。叶くん、次に来られるのはいつ?」
「明日でも、毎日でも、平気です」
今は夏休みで、どこかに行く用事もない。
強いてあげるなら、友人と遊ぶことくらいだ。
しかし、そのせいで人の家の窓を割り、こんな事になってしまっている以上、俺はしばらく友人達と遊ぶつもりはなかった。
なにより、俺は間宮さんの事が気になっていた。
「そう。じゃあ、明日試しにしてみる?」
「え、なにをですか?」
「代筆」
「え、いいんですか?」
「叶くんがしたいって言ってるし、僕も代筆してくれる人を探しているわけだからね。まあ、色々問題はあるかもしれないけど、いいんじゃないかな」
どうしてだろう、この人はやっぱりどこか他人事で、悠長で、投げやりだった。
大事な仕事なんじゃないのか。
それとも、物書きというのは、変人ばかりがなるものなのだろうか。
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