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7話-1 いってみて
「叶くん、いってみて」
間宮さんの言葉に促され、俺は浴衣の帯を外す。
部屋の壁一面は窓で、その外にはどこまでも広がる海を臨む。
沈み始めた夕日に照らされたおかげで、羞恥に染まる俺の頬の色も余り目立たない。
はだけさせた浴衣の下は下着すら身につけていなかった。
剥き出しで垂れ下がる己のイチモツは、間宮さんの手によって剃毛され、生まれたままの姿になっている。
背後から光を受けて、逆光の中にいる。
演技ではなく、肚の中に欲望の熱が灯る俺の姿は、間宮さんにはどう映っているのだろう。
少しでも間宮さんの琴線に触れたら嬉しい。
振り返って間宮さんを見つめた。間宮さんも俺を見つめている。
ゆっくりと、頭の中に浮かぶセリフを口にした。
『先生、僕を抱いてくれますかーー』
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