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第13話(おととななな作)
「ほら、今度はうつ伏せになってみろ。膝はつくなよ」
息をつく暇もなく今度はテーブルに手をつくよう促され、アオキはプルプルと震える足で何とか立ち上がるとテーブルに手をついた。
床からさほど高さのない昔ながらの円卓なため、自 ずと上体が屈むような姿勢になる。
つまり、紅鳶側から見るとアオキは下半身を突き出すような格好になるのだ。
凄まじい羞恥がこみ上げて、アオキは堪らず振り返った。
「ま、待ってください紅鳶様…こ、この格好は…」
「碁盤攻めだ、わかるな?」
紅鳶はまだ座ったままアオキを見上げてくる。
今すぐにでも紅鳶から丸見えな部分を隠してしまいたい気持ちをこらえながら、アオキは答えた。
「う…受け手の背後に攻め手が同じ方向を向いて立ち、屈んで碁盤に手をついた受け手に攻め手が後方から…そ、挿入する体位です」
「百点だ。だがまずは慣らさないとだな」
「ひっ…っ!!」
後ろからゆったりとした声が響いたかと思うと、アオキはひくりと腰を跳ねさせた。
さっきまで上半身に這っていたあのヌルヌルとした感触が、今度はアオキの最も恥ずかしい部分にし始めたからだ。
「あぁっ…だめですっ…そ、そんな…っあぁぁっ」
自分の後ろから聞こえてくるピチャピチャという音。
時折啜るような卑猥な音がアオキをたまらなくいやらしい気持ちにさせていく。
しかも紅鳶は後孔だけでなく、そこから陰茎へと繋がる会陰部分や陰囊まで丁寧に舌を這わせるものだからアオキは立っているだけで精一杯だった。
「んんっ…あぁっ…っ、んくっ」
「ほらアオキ、しっかり立ってろ」
何度も崩れ落ちそうになるのを紅鳶に叱咤されながら、羞恥を伴うその行為に耐える。
頭の中で必死に「筋トレ」の文字を思い浮かべながら…
しかし、結局はまた先にアオキの身体が快楽に負けて根を上げてしまったのだった。
「す…すみません…俺…堪え性がなくて…」
アオキは自分の耐久力のなさを謝った。
これではきっと紅鳶だって呆れてしまうに違いない。
「誰でも最初はそんなものだ。それに俺は知っている。お前は最初に決めたことは必ず最後までやり通す主義だってことはな」
紅鳶はそう言うと徐ろに立ち上がりアオキの腰をグッと引き寄せてきた。
散々濡らされ蕩けた場所に硬くそそり勃った熱の塊が押しつけられる。
「あっ…っ」
その雄々しい気配が尻の狭間を行き来するだけで、アオキはうっとりと感嘆を漏らした。
「そのまま踏ん張ってろよ」
紅鳶はそう言うと、ゆっくりと腰を進めてきた。
凄まじく熱く太い肉棒に狭い場所をこじ開けられる感覚。
アオキの内側はその覚えのある感覚にたちまち悦び震える。
そして男根に食らいつき離さまいと締め上げた。
「んんぅっ…っぁぁっあぁ」
そのままアオキの細腰を固定すると、紅鳶はゆったりとした腰使いで揺さぶりはじめた。
アオキのそこが完全に受け入れ馴染むまで、紅鳶は決して無茶はしない。
たとえアオキがこれまで何人もの男を咥えてきた娼妓であっても、紅鳶はいつでも精一杯優しく扱ってくれる。
それがまたアオキをたまらない気持ちにさせるのだ。
律動が徐々に激しくなり、奥を抉られ、中を擦られ、アオキは息も絶え絶えになりながら喘いだ。
「まだだ、アオキ。四十八手制覇したいんだろ? 筋力をつけたいんだろ? ほら、このまま次の体位だ」
テーブルから移動して、今度は畳に手をつかされる。
殆ど前屈のような姿勢で、先ほどよりもかなり不安定な中ガツガツと揺さぶられた。
畳に滴る汗。
太腿を伝って落ちてくるのは白く濁ったアオキの欲望だ。
「あっ…っっ、ぅっ…あぁぁっ…ん、んっ」
アオキはそれがどんな体位であるかも言えないまま、三度目の絶頂を極めた。
と同時に、アオキの内側で雄茎が大きく脈動し、熱い迸 りが放たれた事を感じたのだった。
翌日凄まじい筋肉痛でベッドから起き上がれず、指一本動かすのにもアオキが悲鳴をあげたのは言うまでもない。
紅鳶はちょっと反省したが、四十八手筋トレ法(紅鳶命名)はその後も続けた。とか。
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