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第10話 気にしないで
「先輩…俺のこと殺してください…ッ」
「え…何言って…」
「先輩を傷つけてしまうサイテーな俺は生きてる価値なんてないんです…ッ!」
恭介は跪いたまま肩を震わせて大号泣し始めた。
その姿に硝子は心底驚いて、慌てて同じようにしゃがみこみ、そっと彼の髪に触れた
「な、泣かないで...?俺は平気だから..」
「..うう…せんぱい…」
顔を上げた彼と思ったより顔が近くて、
その涙でぐちゃぐちゃになった顔を見ると恐怖してしまう。
「ご…ごめんなさい…」
硝子は反射的に謝ってしまった。
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、
慌てて上履きを抱きかかえるとふらふらと立ち上がった。
「本当に大丈夫だから...気にしないで、ください」
そう言いながらもぺこりと頭を下げ逃げるように校内へと入って行った。
彼が一体どういう考えで行動に至ったのかはわからないし知る由もなかったが
きっとこれは報いだから、と思えばなんてことはない。
だから、謝る必要なんて、ないのにな.....。
硝子はそう思いながらも、
きっともう関わることもないだろうと高を括って教室へと急いだのだった。
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