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第12話

「も、もう……指、抜いて……」  標準より長いと思われる武蔵の指に、先程から奥を突かれ、いい所を擦られ、指だけでイってしまいそうだった。 「まだ……もう少し、解しましょう。俺のデカいんで」 「あっ……ああっ、ん……ふっ……」  瞬の口からは意思とは関係なく、艶めいた声が洩れる。 「榛名さんの白くて綺麗な肌がほんのり赤く色付いて、綺麗です。乳首も綺麗なピンク色で凄くイヤらしいですね……」  武蔵はそう耳元で囁きながら、指で乳首を摘んだ。だが、もう片方の手の指はしっかり二本、瞬の後孔に挿し入れている。 「ここも、綺麗ですね」 またそう呟くと、瞬の中心をユルユルと撫で始めた。武蔵は唇を体中に這わせ、両手は休む事なく動いている。 「てか……耳元……で、しゃべ、るな……」 「俺が話す度に榛名さんの中、きゅうきゅう締め付けてきますね。イきそうですか? いいですよ、イっても」  そう耳元で囁かれると、 「ああっ……!」 瞬の体がビクンッと大きく弓なりにしなり、瞬は吐精してしまった。 (ど、童貞のくせに……言葉攻めとか、生意気! )  そう苛立っても、武蔵の声でイってしまうくらい瞬が武蔵の声を好きなのは認めざる得ないようだ。 「俺の声でイっちゃいましたね」 「う、うるせー! いいから、早く挿れろ!」 「色気ないセリフですね、初めてするのに」  武蔵は素早くゴムを装着すると、それを瞬の後孔に当てがった。 「挿れますよ……」  充分に解したとはいえ、指の比ではないそれを瞬の後ろはなかなか受け入れてはくれない。 (い、いてぇ! )  先が少し入っただけで、この痛みだ。この先、耐えられるの不安になってくる。 「辛いかもしれないけど、もうヤメてあげられないです」  ギチギチとゆっくり、武蔵のモノが入ってくる。 「あ、あっ……!んっ!」 (苦しい……ゲイビだと、あんなに気持ち良さそうだったのに……! ) 「ほら、入ってますよ、分かりますか?」  結合部を見ると、武蔵の中心が半分程入っているのが見えた。武蔵は嬉しそうに言うと、満面の笑みを浮かべている。 瞬はそれを信じられない様子で結合部に見入った。 「武蔵の……おっきぃの……入ってる……」 「あんまり可愛い事言わないで下さい……!」  瞬の中で武蔵のが更に大きくなるのを感じた。  瞬の思い描いていたセックスとはほど遠いものであったが、痛みと苦しさ以上に湧き上がる思いがあった。苦しくて痛みがあるのに、気持ちがいいのだ。想いが通じた相手と体を繋げる事がこんなにも幸せなのだと瞬は知った瞬間だった。 「いいよ、武蔵……気持ちいい……」 「榛名さん、好きです、愛してます」  そう何度も繰り返し武蔵は言われ、その度に快感が増すように感じた。 「俺も好き……」  武蔵に抱かれる幸せを噛みしめた。  だが、武蔵はものの数分で達してしまった。 「すいません、俺だけ……」  パタリと武蔵は瞬の横に倒れ込む。 「いいよ……それよりも、脱童貞おめでとう」 「好きな人で童貞捨てられて、俺、幸せです」  武蔵はそう言って、満足そうに微笑んだ。 「俺も、脱童貞」 「童貞? 榛名さんが捨てたのは処女でしょ?」 「俺は恋愛童貞」 「恋愛童貞? ですか?」 「うん、初めて好きだと思う人とセックスした。好きな人とするセックスって、こんなにいいものなんだな……」  その言葉に武蔵は一瞬目を丸くしたが、次の瞬間には嬉しそうに顔を綻ばせた。 「じゃあ、お互い初めて同士ですね」  二人は見つめ合い、どちらともなく唇を重ねた。 「でも、知ってた? 男相手だとカウントされないんだって」 「え⁈嘘⁈じゃあ、俺、一生童貞⁈」  ガックリと武蔵は項垂れたが、その言葉は一生自分としかしない、と受け取れる。 「そういう事! おまえは一生童貞!」 「仕方ないですね、俺はもう榛名さんとしかする気はないですから」  そう武蔵は残念そうに言いながらも、どこか満足そうな顔を浮かべた。 『俺の可愛い後輩は、イケボで言葉攻めをする、隠れイケメンの乙女で巨根の童貞でした』

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