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緋色ノ狂気
僕ノ肺イッパイニ
コノ香リヲ満タシテ
鉄錆ノヨウナ緋イ空気
僕ノ身体ヲ
彼ノ羊水ニ浸ラセテ
僕ノ腕ハ
彼ダケヲ求メテイルカラ
僕ヲ育ムニハ
冷タスギル子宮ニ
僕ノ手首カラ
紅イ熱ヲ注グ
緋色ノ命ニ抱カレ
僕ハ
狂オシイホドノ甘サデ誘ウ
永遠ノ眠リノ到着ヲ待ッテイル
死ヘノ流レガ僕ノ浄化ヲ計ライ
汚レタ瞳ノ残像ヲ抉リ出ス
手首ノ熱イ疼キニ変化ガ訪レタラ
僕ノ心臓ノ鼓動サエ
彼ノ所有ニ属スルノダ
僕ノ頭蓋ヲ
愛オシイ屍臭デ砕イテ
アナタガ僕ヲ殺シテ
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書いてから四半世紀経つのだと思うと感慨深いです。
これ以前に詩作をしたのは、小学生の頃の、まだ腐っていなかったある日、親が買ってくれた可愛いメモ帳を手にしたことで急に詩人になりたいと思い立って、特に腐った要素のないものをそのメモ帳一冊に書き終えたところで飽きたのでやめたことがあった以来で、この時にはしかし、今はなき『June』の「黄昏詩歌館」に投稿したいという気持ちを持っていたのもあって、友人宛に授業中に書きました。そうしてこれ一作で一瞬で飽きて、ポエムに手を付けぬまま数年過ぎたのですけれども。
男×男なのに、羊水だの子宮だのという単語が出てくるのは、当時友人にもなぜだと言われたけれども、この頃の私の感覚では、耽美ジャンルの恋愛は男であることは必須ではあるものの、生殖器がどうしたこうしたではなくて、世の中にある様々な愛の中でも独占欲のような独りよがりだけれども大きいエネルギーを持った何かが、ものすごい勢いで突撃して衝突して、というようなイメージだったのと、やっぱりどこかで、恋愛の先にあるものという固定観念で、そういう単語を出したのだと思います。
さらに、ひらがなでいいはずの部分をカタカナにしているという中二病臭。これまたなぜだと言われたけれど、多分、そういうのがポエムだと思っていました。
このころはとにかく、昔の腐女子にはお馴染みの、LOVE OR DEAD主義者で、他に一緒になる道がないのならば死一択だ!という話ばかり書いていたので無理心中ネタです。
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