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生誕
男は常に母性を求めて女性を愛すると
一緒に雑誌で読んだのは
いつのことだったのでしょう
それならば僕らは確かに異形だと
語ったあの日は遠くへ行ってしまいました
あなたは今
子宮を生まれつきに持った人と
新しい人生を歩もうとしています
親友が欠席したらおかしいだろうと
強がりを言ってみせた僕に
結婚式への招待状が来なかったのは
あなたの優しさだったのでしょうか
それとも既に膨らんだ花嫁の腹を
僕に見せたくなかったのですか
僕は
あなたの愛という名の赤子を
流産したばかりですから
子宮を持たぬ僕に
あるいは母性は存在せぬのかもしれませんが
それならば今
僕が手首から流す赤い液体が
願わくばあなたを包む羊水となりますように
あなたの愛は流れて逝きましたが
僕の身体で形なく漂うあなたへの愛が
今
僕という入れ物を殺して
この世へ形をもって
生まれ出ようとしています
せめて一輪の花でも持って
祝福してやってください
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これは二十代の初め頃のある日、そういや昔、ポエム作ったけど、また書いてみようかしらというので作った、四編の最初。
十代の頃より少し落ち着いておりますが、自殺ネタでございます。
多分これ、『緋色ノ狂気』をもっと分かりやすくしようとして書いたのだと思います。
なのでまたもや、子宮だの羊水という言葉が出てきます。
元ネタとは違って、無理心中せずに愛に殉じて自ら死ぬ、という話に変更しているのですが、次に続くポエムも『緋色ノ狂気』が下敷きで、結局無理心中ネタにしています。
多分、『緋色ノ狂気』が初めて書いたやおい的なポエムだったから、というのもあって、もう少し納得できそうなものに作り替えたいし、カタカナの厨二臭さも消したいし、というのがあったんではあるものの、死ぬ話ばかり書いていたのではありました。
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