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ある冒険
ライ麦畑の収穫期は
きっと君の金色の髪のようで
湖に映る空と木々の溶けあう色は
きっと君の瞳の色
ここが異国の地で
僕の馴染みの言葉は聞けぬなんて
きっとどうでもいいことだ
お互い
お姫さまを探す王子に生まれてきたはずが
揃って
王子さまを探す旅に乗り出しているのだし
I LOVE YOU.は
僕の馴染みの言葉じゃないから
身体を破って噴き出してしまいそうな
愛している
という身体いっぱいの気持ちを
充分に伝えられるか心配だ
でも、君には見えるよね?
身体から溢れている
愛情のありったけが
この幸福感を上手く伝えられているか
とても心配だけれども
僕の全てが幸せで
人生の全てが君に照らし出されている
世の中の全てに捧げるこの笑顔を見せれば
言葉以上に伝えられるね
けれどももうすぐビザが切れるし
しばしの別れをしなければ
スリーピングビューティみたいに
僕がキスしに戻るまで
ひっそり眠っていてくれたら
安心できるのに
所詮
王子さま同士の恋など
神様は叶えてくれぬと
アドベンチャーストーリーみたいに
旅をして生きてきた
でも
僕の旅は君でおしまい
TRUST ME.も
僕の馴染みの言葉ではないけれど
嬉しいことに
僕の身体全部が
君の言葉を信じているよ
++++++++++++++++++++++
やおいさんから一年ぐらいは脚抜けしていた時期に、でも脚抜けってできないんだよねと思いながら書いたもので、先のものよりまた数年経って書いてます。30目前ぐらいでしょうか。
なぜ外国人が相手なんだろうか?
なんにしても諸戸が書いたにしてはちょっと明るいよな、って思いました。
この後しばらくして、ドラマに腐って友人に向けて連日の連載をはじめて、原稿用紙に換算すると955枚というアホみたいな長さのものを書いて、そこから友情や努力や勝利でおなじみのあの雑誌で二次元にハマって、その傍らでナマモノ萌えもして、というままに中年になってしまいました。
で、ポエムを書くぐらいだったら、独身で自分を養うしかない貧乏暇なし腐女子にも出来そうなものなのに、何も書かぬまま時間が過ぎました。
というわけで、過去のポエムコーナーでした。
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