43 / 211
第43話
朝ご飯は部屋で食べて、さっさと準備をして大学に行く支度はもうできた。
大学で使う教材はいつの間にかハルの部下の人が俺の家まで取りに行ってくれたらしい。悪く言えば何も聞かされてなかったから不法侵入なんだけど、まあそこはいいとして。
何故かハルも俺の隣で服を着替えたりと身支度をしている。
「どこかに行くの?」
「はぁ?お前を送りにだろうが」
「え、ハルも行くの?」
「ああ、そのまま寄りたいところもあるしな」
そんなハルと一緒に部屋を出て門のところに行くと早河さんが立っていて黒い車の後部席のドアを開けた。
「乗れ」
「あ、うん」
早河さんにお礼を言いながら車に乗り込む。隣に座ったハルは運転席に乗った早河さんに「陽和を送ったらそのまま桜樹に行く」と言っていて、早河さんは「わかりました」と返事をしていた。
「今日は何時に終わるんだ?」
「えっと···4時くらいかな」
「じゃあそれくらいに迎えに行く」
「ありがとう」
早河さんがいるのにも関わらず、俺にキスをしてきたハル。早河さんはちらっとミラーで俺たちを確認したけれど気にしてないのかすぐに前に視線を戻した。
ともだちにシェアしよう!