34 / 34

第34話

「ごめんね、シーツ汚して」 「いいよ。それより、もう動いても平気?」  オーガズムに達した茉以は、しばらく放心して動けなかったのだ。  智樹が体を拭いてあげたり、水を持って来て飲ませたりして、ようやく人心地ついたところだ。 「ん~、まだ平気じゃない。だって……」 (あんなに凄いの、初めてだったんだもん) 「だって、何?」 「いや、何でもない!」  付き合い始めて間もない智樹に、恋の履歴をまだ知られたくなかった。 (エッチな子、って思われたくないもんね) 「それにしても」 「ん?」 「茉以がこんなにエッチだなんて、知らなかったなぁ」 (すでにバレてる!?) 「僕がエッチになるのは、智樹だけだから」 「本当?」 「ホント」  嬉しいよ、と智樹は茉以の頬にキスをした。  涙の後には、晴れやかな笑顔の虹がかかった。

ともだちにシェアしよう!