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6.風呂場で少しだけ
この宿の温泉は清掃時の11時から2時を除いて自由に入ることができる。同室の同僚たちは女性社員と出かけたらしいので夕飯まで帰ってこないだろう。
清掃前にじんじんした乳首のまま朝風呂に行き、入浴客がいないのをいいことにまた乳首をいじられまくった。さすがに公共の場でイタしてしまうわけにはいかないと、立ち上がったままの俺自身をどうしようと途方に暮れたが、なんと岡が俺自身をぱくりと咥えてしまった。
「あっ、そんなっ、きたなっ……」
「今さっきキレイに洗ったばかりでしょう。最後にコレを使ったのはいつですか?」
一通りしゃぶってからそんなことを聞かれた。
「え? あ……」
「まさか童貞ってことはないですよね?」
指でつつーっとなぞるのをやめてほしい。びくんって跳ねてしまうから。
「あ、うん。たぶん、大学の時が最後かな……」
何故か俺は素直に答えてしまった。別に答える義務なんてないのに。
「ってことは」
大浴場の椅子に腰掛けている俺の尻を岡の手が撫でる。尻穴が疼いているので尻を触るのは本当に勘弁してほしい。
「アナニーを覚えてからはしてないってことですか?」
「んっ……覚えて、ないっ……」
俺自身をしごきながら先端を舌でべろべろと舐められる。記憶を辿るがいつからアナニーを始めて、女性をいつ最後に抱いたのかがうまくつながらない。言ってしまえば俺にとってそれはもうどうでもいいことなのだろう。
さすが男同士と言おうか感じる場所はよくわかっていて、裏筋を舐められたり先端をくじられたりして俺はすぐにイッてしまった。
コクリ……と岡の喉が鳴って、俺は青ざめた。
「も、もしかして飲んだ……?」
「さすがに薄いですね」
岡がそんなことを平然として言う。そこでやっと俺は岡がゲイなのだと気づいた。でもゲイだからってそんなもの飲めるものだろうか。俺は情けない顔になる。
「悪いけど……俺は岡のを咥えたりはできないぞ」
「ええ。僕がしたかっただけですから気にしないでください。それより」
お湯で口を漱ぎ、岡は俺の尻をまた撫でた。だから尻穴が疼いてるからやめてほしい。俺はもぞもぞと尻を動かした。
「僕は先輩のえっろい穴でイかせてもらいますから大丈夫です」
「っっっっ!?」
顔が瞬時にぼんっと熱くなる。えっろい穴って、えっろい穴って……。
「あ、ケツマンって言った方がいいですか?」
本当に勘弁してほしかった。
どうにか身体を洗って部屋に戻る。今度こそ服に着替えて近所に食事に行った。どうも宿では昼食を提供する施設がないらしい。いくつか店を教えてもらい、岡と入ったのはお蕎麦屋さんだった。
「よっ」
「なんだ、お前らも同じ店か」
先客に同期がいた。男女二人ずつである。仲がよくていいことだ。
「同じところに来てるんだからそうなるだろ。長井こそ面倒見のいいことで」
「ははは」
同期に岡と一緒にいることを揶揄されて俺は苦笑した。俺のせいなんだけどな。
「僕がわがまま言って先輩をつき合わせてるんです。人見知りなので」
にっこりして岡がそんなことを言う。
「かわいい~」
「えー、そうなのー?」
「そうなんです。だから旅行中は先輩を独占します。邪魔しないでくださいね~」
女性社員の声かけに岡はにこやかに答える。どこが人見知りなんだろう。
「おいおい……」
「やだー。明日は長井君誘おうと思ってたのに~」
「だめです。僕が先約です~」
軽口を叩きながら隣のテーブルに腰掛け天ぷら蕎麦を頼んだ。乾燥してくる季節なので油物がおいしい。適当に同期も交えて話し、食べ終えてからは別れた。一緒に散策しないかと女子に誘われたが丁重に断わった。馬には蹴られたくない。
掃除が終っている部屋に戻る。岡は部屋の鍵を閉めると俺を後ろから抱きしめた。
「先輩ってモテますよね」
「そんなことないぞ」
どぎまぎしながら身体を離し、部屋に入った。
「先輩」
掠れたような声に先ほどまでおさまっていた尻穴がまた疼きだした。多分これは誘われているのだろうがどうしたらいいのだろう。
「……するのなら、洗ってくる」
「……したいです」
岡は面食らったような顔をした後、ニヤリとした。その表情に熱が上がる。
「あ、洗ってくる……」
震える手でバッグを開け道具を出す。またあの巨大なイチモツに貫かれると思ったら尻穴がじんじんし始めた。
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