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39.尻に夢中?
朝も早くから身体の奥を抉る快感で強制的に目覚めさせられた。どこのAVだ。
「ああぁ……」
自分の喘ぎ声で目覚めたようなものである。眠っている間に蓄積された快感が心地いい。身体の感覚が鈍いせいか、安田の身体の上に寝転がるような形で密着しながら奥を突かれるのがたまらなかった。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
「智、おはよう」
「んんっ」
挨拶しながらずんずん突くのをやめてほしい。
「安田……今、なん、じ……? あ、あんっ……!」
尻をもみもみと揉まれ穴の入口を指先でなぞられる。そんなことしないでほしかった。
「はー、智のケツマン超いい……毎日ヤりまくりてぇ」
ケツマン言うな。しみじみ言うな。
「あっ、あっ、あーーーっ……!!」
ずんずんと奥の奥を突かれ、その痺れるような快感に俺はイッてしまった。やだもう気持ちよすぎて出勤したくない。イッたばかりの敏感な奥を安田がイクまで貫かれるのはもうどうしたらいいのかわからない。感じすぎてつらい。気持ちいい。
「あひぃ、あひぃいいいっっ!?」
「っ、くううっ……!!」
一際激しく貫かれ、俺は安田に縋りつきながらまたイッてしまった。
「あ……あ……」
ずるずると萎えた安田自身から抜かれる刺激にも俺はびくびく震えた。
「智、すっげかわいいなお前」
「……うっせ。黙れ……」
可愛いわけないだろうが。朝食の支度も後片付けも全て上機嫌の安田に任せ俺は家を出た。
(あ、そういえば合鍵……)
岡がうちに来ることはあまりないだろうが渡しておいた方がいいのだろうか。安田には渡してあるのに岡には渡さないなんておかしい気がする。
(聞いてみるか)
どうせ今夜は岡の家に行くので都合よかった。
「合鍵、いただけるんですか!?」
「う、うん」
岡の食いつきは思ったよりよかった。いや一応引かれるかなとか少し考えたのだがやっぱり安田にも渡しているし、と話してみたらずずいっと迫られたのだ。
「まだ作ってないから改めて作りに行こうかと思うんだ。そんなに喜んでくれるならもっと早く言えばよかったな」
「? スペアはご家族に渡されてるんですか?」
「そんなことするわけないだろう。安田に渡してあるから」
「ふうん、そうなんですね……」
何故か岡の目がスッと細められた。なんだか不機嫌そうに見える。
「じゃあ、僕の家の合鍵は先輩に渡しておきます。いつでも来ていただいてかまいませんから。なんでしたらこのまま一緒に……」
「ありがとう、嬉しいよ。明日にでも作りに行ってくるな」
なんだか不穏な気配だったので俺は岡の科白を遮った。だからと言ってその辺の問題がクリアになるわけではないが、先延ばしはできるだろう。岡はしかたないというようにちゅっと俺に口付けた。
「先輩、好きです……」
「う、うん……俺も……岡のことが……んっ……」
好きという言葉も一緒に飲み込むように再び口唇が覆われた。岡の口付けは柔らかく巧みだと俺は思う。いつまでもキスしていたいようなそんな心地よさだ。
こんな料理もできない、家事も必要最低限しかできないような男のどこがいいのだろう。尻穴を犯されてあんあん喘いでいるようなヘンタイなのに。俺の自嘲に気づいてか、岡が俺の尻を両手で揉みはじめた。男の尻なんて固いだろうに安田も岡もよく俺の尻を揉む。
そして尻たぶを開き、服の上から尻穴をなぞるのだ。
「んっ……」
穴がきゅんきゅんしてしまうから本当にやめてほしい。
「……毎日先輩のこのえっろい穴をぐちゃぐちゃにしたいです……」
口付けが解かれたと思ったら岡がそんなことを言う。だから、きゅんきゅんしちゃうからやめろっての。
「……洗ってくる」
頬が熱い。見なくてもわかる。俺の顔は今真っ赤になっているに違いなかった。
「安田さんと三人で暮らすには狭いですよね……」
先ほどよりももっと不穏なことを言っている岡の呟きはさすがに無視した。俺が他の男に抱かれるのを見るのが好きなのはわかっているが、毎日二人がかりで犯されるなんてことになったら体力がとても持たない。
「うーん、もう少し鍛えた方がいいかな……」
穴の中を洗浄し、キレイにして一息ついてから考える。少なくとも週一で二人にヤられるのは確定事項だ。それでへばっているようでは岡の恋人は務まらないと思う。どんだけ岡が好きなのかと呆れられそうだが、好きなんだからしょうがない。
風呂場を出て岡の寝室へ行く。唾液が溢れるぐらい口付けをしてから岡がシャワーを浴びにいき、その間にディルドなどを準備する。俺の穴を広げるものの用意、中の洗浄などムードもへったくれもないが素直に身を委ねるには必要なことだ。
今夜もたっぷり尻穴を犯されてしまうのだろうと思ったら、また尻穴がきゅううううん、となった。
朝も安田のを受け入れたのに俺もたいがいスキモノである。
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