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愛はどうだ 13
でもこいつとずっと一緒に居たいと思ったら、それは多分避けられない問題で。
正直今はまだ、それがハルの人生にとってプラスになるとは思えない。
それでも……。
「省吾?……何か思うなら口にして」
俺の唇をハルの指が優しく撫でる。
なんとも言えない俺を見兼ねてか、今度は唇を重ねられた。
「省吾」
ハルが瞳を潤ませながら俺を見下ろす。
「俺は選択に迷うものはないし、省吾に選択権はないよ」
「なんだそれ」
「俺は省吾を誰にも渡さないからね」
またそれか。
いつもだ。
そう言いながらお前はいつも、不安そうな顔をする。
「わかってるよ……」
頬が緩んだ俺は、どんな顔をしてるんだろう。
自分じゃよくわかんねぇな。
でもハルの表情が和らぐならきっと、悪くない。
今はふたりで、こうして眠って。
明日を迎えよう。
<終>
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