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愛はどうだ 12
◇◇◇
あのあとハルが風呂に入っている間に俺はベッドに移動しパタリと寝てしまっていたらしい。
目が覚めると風呂から上がったハルが隣にいて、肩肘で頭を支えこちらを見つめながら俺の髪を撫でていた。
「ん……風呂上がったんか」
「うん」
ハルが肘を崩し俺に両手を伸ばしたので何となくそばへ身体を寄せると、ぎゅうと抱きしめられた。
「省吾、いい匂いする」
いやお前もおんなじ匂いしてるし。
「ハル、あのさ……さっきのな」
「ん? まだ足りない?フェ」
「じゃねぇよばか。その……挨拶ってさ」
「うん?」
「それは、なんだ、ええと……アレか」
なんと返したらよいかわからずモゴモゴと口ごもっていると、俺の頭に顎を乗せたままのハルの身体がゆれた。
「お前今笑っただろ」
「省吾が決めた時でいいから」
さらりと返された返事に迷いは見当たらず、そうかと妙に納得する俺。
母親を思い出し、俺んとこはまあ……何となく想像出来るとしても。
ハルの方は、どうなんだろう。
天下のT大卒の優秀な自慢の一人息子だろ。
親御さんの期待も大きいんじゃないだろうか。
それがいきなり男と一緒になるから結婚しません孫は諦めてくださいなんて。
いえるか?
「いやいえねー」
「なに?」
頬を捕まれ顔を上げると、ハルは少し眉間にシワを寄せて俺を見つめた。
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