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プロローグ

「皐月、自分で足を拡げて見せて…」 菫 蒼(すみれ あおい)は優しく微笑みながら自分のシャツを脱ぎ捨て浅黒く引き締まった胸筋が見える。低く甘い声で卑猥な命令を自分こと倉本 皐月(くらもと さつき)に投げかけると、普段は優しく穏やかなのに今日はなんだか激しく情熱的だ。 不思議に思いながらも震える両手で太腿を割り開き、露わになった自分の陰部を見せた。 普段ですら羞恥心が激しいのに、こんな乱れた姿を晒すのは蒼だけだ。薄い茂みは剃られ、ただ屹立した雄が可愛く勃ち、肌色が酷く卑猥に映えた。蒼は彫りの深い端正な顔に微笑みを浮かべ、じっと薄緑色の瞳をこちらに向ける。 「……んっ…蒼、恥ずかしいよ…。」 頬を赤らめ、恥ずかしげに自分の股間を見せながらも、蜜を垂らして更なる刺激を待っていた。窄まりはヒクヒクと膨らみ、隙間からローションが垂れて誘っているようにも見える。 「皐月、可愛い。……好きだ…。」 蒼は愛しさで胸が一杯になり、太腿にキスを落としながら、どんどんと下へ落ちていくと陰嚢を揉みしだきながら皐月の根元を舐めた。 「……アッ…駄目…」 手が震えて太腿から離れそうなのを掴まれ、両手を左右の大きな掌でシーツに縫い付けられた。 「皐月は声を隠すからね。」 そう言って、一気に喉まで咥え込まれ、口の中にすっぽりと包まれると達しそうになった。 「…ああッ……蒼、ダメッ……も…うイきそう…ッ…」 蒼は上下しながら口だけで愛撫し、陰茎が生温かくぬるぬると締め付けられる。長い睫毛が見えて、こんな逞しくも男らしい蒼に愛撫されているかと思うと、羞恥心で消えたくなった。 「……んっ…」 呆気なく白濁とした液体が蒼の口腔へ放出され、蒼の喉が上下した。 シーツに皺を作りながら、喉で扱かれ呆気なくイッてしまい、ビクビクと躰が跳ねる。乳首もまだ愛撫していないのに先端は膨らみ、反り勃っている。 終わった筈なのに、まだ強い快感が欲しくなり 太腿を閉じたくなった。 「……皐月、満足した?」 にっこりと満面の笑みで息絶えた自分を見上げ、蒼は薄緑色の瞳を意地悪そうに細めた。 「ん、あお…い……駄目…欲し…い。」 最後は恥ずかしくて、小さく聞こえないように呟いた。顔も躰も火照り、胸の突起は愛撫をせがんでるようだ。 「……まだ、待って…ゆっくり愛してあげるよ。」 蒼の太くて硬い雄根が早く欲しいのに、お預けをくらい、涙が出そうになった。最近、蒼はここからじっくりと念入りに愛撫を繰り返し、挿れて欲しいと強請るまでその様子を眺めて楽しむ傾向がある。 求められるのが嬉しく、焦らしに焦らされ、さらに挿れたらまた長時間揺すられる。 「……蒼、意地悪だ……。」 「駄目だよ、ここもまだ触れてない…。」 涙目で蒼を睨めつけるが、胸の突起を強く吸われ舌で転がされた。広く筋肉質な背中に手を回して、耐えきれずに首筋を噛む。 「……蒼、欲しい…挿れて……ンッ…。」 乱れて淫乱になったように強請り、後孔に蒼の硬くなっている部分を押し付けた。 「皐月、可愛い……。」 蒼はそう言うと抑えていた欲望を皐月の孔へ押し当て、ゆっくりと挿入していく。先ほど風呂で柔らかくほぐしたせいか、ズプスプと飲み込み奥まで挿れる。 「………ァッ…ああ…んっ…」 太くて硬い雄が肉を裂くように侵入し、全神経がそこに集中しているように悦楽が溢れた。そしてさっき蒼の口腔で果てたのに、またピュッと少ない体液が放出される。 「……イッてるね。」 頬をに優しくキスをされ、蒼はゆっくりと抽挿を繰り返す。太く長い雄茎が肉筒に嵌りながら弱い部分を擦っていく。ビクビクと痙攣しながら、また深い快感と悦楽が溢れ、擦れる度に意識を手放してしまいそうになった。 「……あ、あお…い…駄目っ…なんか…、なんかでちゃう……」 込み上げてくる尿意感に気がつき、ふるふると首を振った。蒼は薄緑色の瞳を潤ませて、さらに自分の勃ちかけたものを扱いてる。 「うん、出して………。」 優しく甘い重低音を耳元で囁いて、耳朶を噛まれた。呆気なく力が抜け、プシュッと勢いよく自分と蒼の腹に水液が噴き出す。 「……ぁあ…ッ…はぁっ……。」 「皐月、出せた?」 「……ち、ちがう…これ…」 残った悦楽で悶えながら呼吸を整え、涙目にながらにこにこと見つめる蒼を睨みつける。まだ結合部は繋がっており、ズクズクと蕩けそうな具合に入口の窄まりは膨らんでいた。 「ごめん、ちょっとだけ我慢して…。」 蒼は片足を自分の肩へ置き、拡げた股間に根元まで押し込み奥深くへ雄を突いた。そしてパンパンと乾いた摩擦音が聞こえ、激しく揺すられながら、いつの間にか意識を手離してしまった。

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