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※第13話③
イく直前で寸止めされたもどかしさを抱えて、服を着る余裕すらないままに言われたものを探す。
ヘッドボード、本棚、リュック、クローゼット、机の下…。
必死で探すが、見つからない。
俺の部屋なのだから、俺が一番知っているはずなのに、どうして?
身体の内に溜まった熱は、逃せないから溜まり続ける。
もどかしさで泣きそうになりながら、ベッドの上にいる由良さんを見た。彼は楽しそうに俺を観察していて、彼の視線の先を見たところで隠し場所のヒントは得られない。
「…わからない、です…。」
結局見つからず、けれどもう熱に耐えられなくて。
ベッドまで行って彼にすがると、そうだよね、と微笑まれた。
由良さんが自らのポケットに手を入れる。
「よく我慢したね。いい子。」
彼が言っている意味がわからず、なぜ褒められているのかもわからなかった。
だって俺は、命令通りに見つけることができなかったのに。
けれど、由良さんがポケットに入れていた手を出したとき、ようやくその意味を理解した。
そう、初めから由良さんはそれを隠してなどいなかったのだ。かと言って嘘はついていない。彼が持っているのだから、もちろんこの部屋の中にはあるわけで。
「…っ、いじわる、ですっ…!!」
身体が熱い。早く由良さんのものが欲しくて、俺は由良さんの屹立に手を伸ばす。
「我慢してる幹斗君が可愛くてつい。…僕も限界だから、君のナカに入らせて。」
由良さんの瞳が余裕のなくじっと俺を見つめた。
あ、もうプレイは終わりなんだ。
君付けで呼ばれたことでそれを理解する。
俺は息絶え絶えにうなずいて、自ら足を大きく広げた。早く挿れてもらえるように。
由良さんは手早くゴムを被せると、俺の頭を撫で、優しく口づけながら、ゆっくりとナカに挿入ってくる。
「あぁーーーっ…!!」
待ち望んでいた快楽を受け入れ、身体が大きく跳ねる。2週間ぶりの由良さんの熱は、俺のナカを開けるために作られた鍵みたいにぴったりとはまって、彼の熱が揺れるたび、俺は叫びにも似た嬌声を放った。
深く、かと思えば浅く。ゆっくりと繰り返される出し入れは、なんども俺の一番気持ちいいところをかすめて。
…ああ、脳が快楽漬けにされていく…。
「…どうした?」
何かに気づいたように、由良さんが優しく尋ねてきた。
この寒いのに彼の額には汗が浮かんでいる。
「…キス、したい…っ…ぁっ…んんっ…!!」
なぜだかとてもしたくなって、わがままに口付けを強請ると、噛み付くように唇を奪われた。
侵入してきた由良さんの舌に、俺は自分のそれを必死で絡めていく。
…このまま溶けてしまいたい。
お互いの境界がなくなって、一つになって。
きっとそれができないから、俺は口付けをねだったのだろう。
出来るだけ多く繋がることができるように。
…この甘い甘い聖夜に。
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