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第1話
その古い屋敷に越して来た夜からそれは始まった。
最初は夢だと思っていた。
誰かの舌に優しく愛される夢。
舐められた。
乳首を立ち上がり、凝り固まるまで。
尻を割開き、後ろの穴の襞を引き伸ばすように。
なめるだけの刺激で達するまで。
達して白濁を吐き出した後の性器さえ、執拗なまで舐められた。
舌は熱くて濡れていて。
触れられる場所が溶けてしまうかのよう。
別れたばかりの恋人が恋しくてそんな夢をみるのかと思った。
恋人はそんなことしてくれなかったけれど。
いつもオナホみたいにぶち込まれてた。
慣らしもしない。
裂けて血が吹き出そうとかまわず突きまくり、好きなだけ出されたのだ。
気絶するまで。
いや、しても。
それでも。
愛していた。
愛されていると思っていた。
たまに優しくしてくれたから。
自分は特別なのだと。
「お前を愛してくれるヤツなんてオレ以外にいるわけないだろ?・・・お前なんかをさ。散々人に汚されたお前みたいな男なんかをさ」
恋人の声はその言葉の酷さに反比例するように甘かった。
自分など誰にも愛されない。
そう信じこまされていたから、恋人に絶対服従で、何をされても当然だと思わされていた。
呼び出された先で、恋人の友人達の目の前で咥えさせられ、素っ裸で犯されることさえ受け入れた。
恋人はあざ笑いののしりながら、犯した。
友人達に見せつけるために精液で汚れた穴を広げられたりもした。
やってみろと言われて、ディルドを使ってオナニーさえ人前でしてみさた。
少なくとも恋人は友人達に無料で自分を使わせたりはしなかったのだから。
そう、少なくとも。
売り物にされなかった。
一緒にいる間は。
身体を売ってた自分を止めさせたのは恋人だった。
でも、尽くして尽くして尽くした末に、捨てられたのだ。
「お前、もういらない」
恋人は新しいオナホを手に入れたのだろう。
新しい奴隷を。
その日の内に部屋を叩き出された。
行く宛のないところを、古い友人が拾ってくれた。
古い友人。
いや、昔の客だ。
でも、優しい人だった。
「病気でね、もう性欲はないんだ。もうすぐ死ぬしね。大嫌いな親族にやる遺産を減らしたい。金で相手してしもらった相手に財産を残すなんて嫌がらせとしては最高だろ」
そう笑った
自分と同じで誰にも愛されない人だった。
そして。
かなりのお金と古い屋敷をくれたのだ。
傷ついた心を抱えてその屋敷にやってきた。
そして。
その夜から優しく愛された。
夢の中で。
しかも、それは毎晩だった。
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