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再会⑩

この日、渚から放課後に会えないかと聞かれた。 『会いたい!!』 すぐさまそう返信をしたが、考えたら佑真以外と遊ぶこと自体久々な上、他校の人となると親になんと言えばいいのか…… それに帰りはいつも佑真と一緒なのでそれもまた面倒だ。 昼休み、いつものように佑真と食堂で一緒に食事を取るのだが、彼に話を切り出した。 「あのさ佑真」 「何?」 「今日友達と遊びに行くから一緒帰れない」 そう言うと彼は途端に眉をしかめた。 「お前あんだけ友達出来な~いつってたのに一体誰と行くわけ?」 「え~とそれはですね……」 クラスに友達がいないのは佑真にも親にも周知の事実なので、誤魔化しきれる自信がない。 「お前、またいいように利用されてんじゃねぇの?」 「利用……?」 叶芽は小首を傾げる。 「柊っつったら、そりゃあ有名だしな。 お前の事だから言いくるめられて金とか色々と集られそうじゃん」 酷い言いようにムッとした。 「そんなこと無いし!! 佑真は俺をバカにし過ぎ!! 兎に角、今日は一緒に帰らないから」 「んだよ、人が折角心配してやってんのに」 「余計なお世話」 佑真が心配してることは分かっているが、渚を悪く言われているような気がして少し腹が立った。 助けてくれて、Ωだと知っても変わらずに接してくれた。 そんな人が自分を利用してる筈無い。 ましてや彼に自分は社長の息子だなんて言った事は無い。 だから利用されてるなんて事は当てはまらない。 放課後、親に連絡して帰りは遅くなることを伝えると案の定誰と何処で何時に帰るのかと聞かれて、友達と遊んで帰ると答えになってない事を言って切った。 すると間も無く渚から電話が掛かってきた。 「もしも~しカナちゃん」 「もしもし」 「今どこ?」 「学校の校門です」 「じゃあ近くまで迎えに行こうか? ……てか何処の高校なのかまだ聞いてないや」 色々やり取りはしているものの、まだ互いの高校すら言っていない。 考えたら何度か会ってるのに知らないことだらけだ。

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