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友達とは……⑤

結局叶芽を助けた謎のイケメンについて他になんの情報も得られなかった佑真は授業中もモヤモヤしっぱなしだった。 「はぁ……叶芽の奴ヘラヘラとアホ面しやがって……」 まるで恋する乙女のような感じでイケメンでカッコいいと話していた。 それがまた無性に腹が立つ。 「なぁ沢田」 授業が終わるとクラスメイトが話し掛けてくる。 「何?」 「前から思ってたけど、お前ってなんであのΩとつるんでんの? 確か柊グループの社長の息子だっけ? 意外だよなぁ、あの大企業の息子がΩってさぁ」 鈴原快成(すずはらかいせい)。 佑真と同じクラスと言うことで当然ながらαだ。 父親は銀行員だと彼が以前言っていた。 「あれか?あわよくば柊グループに入社して出世しやすくってか?」 笑いながらでもΩと番になるのは嫌だと言う彼に佑真は眉間に皺を寄せる。 「俺はお前みたいにΩが劣るとかαが優秀とか思ってねぇし、自分の利益がとかで人付き合いもしてねぇ」 そうはっきり鈴原の意見を否定すると、今まで笑っていた顔が一変し、険しい表情になる。 「なんだよ、俺はただ事実を言っただけじゃん。 それにΩが下等でαが高等である事も紛れもない事実。 いくら綺麗な言葉を並べても世の中の評価は変わらないんだから、そこから目を背けるのは違うんじゃない?」 「はぁ?」 「お前がいくらそんなこと無いっつっても、世間はそう思ってない。 自分の立場を理解させないのはさ、逆にΩを追い詰める事になると思うよ」 自分の立場をわきまえている方が上を見なくて済むと彼は説いた。 その言葉に佑真は、彼とは相容れないと悟った。 これ以上意見を交わしても無意味だと…… 「言ってろよ。 俺はいつだってあいつの味方だし、あいつはすげぇと思ってる」 「……あっそ」 いつだって明るくてこちらを笑顔にさせてくれる。 それは自分には無い才能だ。 だからこそそんな叶芽を尊敬しているし、ずっと一緒にいるのだ。 何も知らないくせに偉そうに語って欲しくない。

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