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友達とは……④

「お前がさ、絡まれて助けられたって俺に言えなかったんだろ? 悪かった、俺もっと信頼されるようにするから」  意外な事に叶芽を責めるではなく、信頼して言えるような環境じゃなかったと謝罪したのだ。  彼の性格から絶対に正論で論破してくると思ったので少々面を食らってしまった。 「だからさ、俺には何でも言えよ。 ちゃんと聞くから………」  いつもと違う真剣な雰囲気に叶芽も真剣に聞く、かと思えば 「え……気持ち悪いんだけど…… どうしたの、大丈夫? 頭打った?」 「お前は、ほんっと……」  こんな佑真は見たこと無いとひたすら大丈夫か、明日嵐でも来るかと本気で心配していた。 「だってそんな謙虚な佑真変。 佑真ってスマートでカッコいいのにこんなとこ他の誰かに見られたら俺葬られそう…… 特に女の子から!!」 「何それ……」 「モッテモテの佑真君にこんなカッコ悪い事させた俺が逆恨みされるってことぉ。 ねぇホント止めてよ~怖~い」  茶化すような彼に最早笑いが出てくる。  しかし叶芽にとっては別に茶化しているわけではなく、本気で逆恨みされると恐れている。  それだけ佑真がカッコよくてモテるのを知っているから。  色々と言いたいこと、聞きたいことが他にもあるが、叶芽を見ていると何を言いたかったのか、聞きたかったのか忘れてしまう。  もういいやと目の前の食事を楽しむ。 「んで、その助けてくれた人ってどう言う人?」  話題を叶芽を助けた渚へと変える。 「どう言う……ん~カッコいい」 「はぁ?」 「だから、イケメンでクッソカッコいい。 ヤバい……」 「はぁ?」  カッコいいを連発する叶芽に佑真の表情は再び険しくなる。 「おい、そいつって……」 「あ、早く食べないと昼休み終わっちゃう」  叶芽は慌ててご飯を口に掻き込んだ。  マイペースな彼に最早佑真も何も言えなくなる。

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