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友達とは……⑨

 どうして他校の生徒と知り合いなのか。  もしかしてバイト仲間かと聞かれたのですぐさま叶芽が違うと否定した。  ではどこで知り合ったのかと聞くと、叶芽が答えようとするが、渚がそれを遮るように答えた。 「それはプライバシーがあるから答えられない。 お前の何でも聞きたがるとこ直した方がいいよ」  綺麗な顔をした叶芽だが、男である。  なのに男に絡まれたなんて他人に知られるのは嫌だろう。  渚は唯人にこれ以上色々聞く事は止めろと釘を刺した。 「じゃあさ、どこの高校ってのも聞いちゃダメ? なんか見たことあるんだよね~この制服」  これも出来れば聞かれたく無いと渚は思うも、こればかりは叶芽が判断する事であるのでチラリと彼を見ると、叶芽は聖雷と答えた。 「聖雷!? 聖雷ってあの金持ち校?」  案の定唯人は騒ぐ。 「え、何、金持ちなんですか?」 「え……」 「こら、そう言う事聞かないの。 失礼でしょ!!」 「だって……」  唯人の言いたいことは分かる。  聖雷は全国的に見てもこれ程の金持ち校は存在しない。  だからと言って初対面の人に向かって金持ちなんですかと聞くのは失礼にも程がある。  流石の叶芽も答えに困っている。 「聖雷って言ったら兄ちゃん、そこ行くか考えてたでしょ? 見学まで行ってたし」 「別に考えてた訳じゃないよ。 見学は行けってしつこく言うから行ってみただけ。 第一あんなところ俺は場違いだっての」  αの渚は担任からも聖雷を推薦で行くことを後押しされていた。  親もその気になってしまい、見学だけでもと仕方無く行ってみた。  そこで思ったのは、やはり登下校が家からは遠いし、バイトも禁止だ。  何より高校と言うにはあまりにも別世界だった。  とてつもなく広い校舎に広い敷地は方向音痴で無くとも迷子になる。  煌びやかな建物はまさしくセレブのお坊っちゃま、お嬢様の世界である。  こんなものを見せつけられたら場違いであると早く帰りたい思いだったのを思い出した。

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