唇を重ね合わせた渚はこの前とは違い、舌を叶芽の口内へと捩じ込ませた。 「んんっ……」 　キスされ、舌を絡ませて来た渚に叶芽は驚いて、顔を反らそうとするもガッチリと頭を彼の手で挟まれ身動きが出来ない。 　息もつけず苦しくなり、渚の胸を押し退けた。 「はっ……ちょっ……な、何……舌入れて!!」 「え、嫌だった？」 「いや、舌入れるとか何考えてんのかってば!!」 「え、何ってディープキス」 「……？ ディープ……キス……？」 　首を傾げる叶芽に漸く彼がディープキスを知らない事に気が付いた。 「え～とカナちゃんディープキス知らない？」 「……何それ」 　全く恋愛経験の無い叶芽はキスと言えば唇を触れ合わせるものとしか知らないので、渚が舌を入れてきたことに動揺していた。 　そんな叶芽に渚はやってしまったと思った。 「ディープキスは今みたいに舌を絡ませたりする奴なんだけど……」 「…………!!」 　それを聞いてキスとはこんなにエッチなものだとは知らなかったので今更顔が恥ずかしさで火照ってきた。 　しかし付き合ったからにはこのディープキスとやらも沢山経験する事になるのだろうと思うと少し感慨深くもある。 「なんか大人だ……」 　そう思った。 　一方渚は1人で顔を真っ赤にしたかと思えば突然なんか大人だと呟いたり、コロコロと表情が変わる叶芽をよく分からないが面白いと眺めていた。 「ねぇカナちゃん、そろそろ続きしてもいい？」 「つ、続き……？」 　途中で打ち切られたムードを再び戻そうと叶芽の顎を指先で持ち上げる。 「カナちゃんはただリラックスしてればいいから……」 　そう言うと再び唇へキスをして、舌を彼の舌と絡める。 「ん………」 　先程よりも落ち着いていられるが、その分感覚が研ぎ澄まされ身体が痺れるように熱くなり、下半身が疼く。