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相応しい人⑬お知らせ

※麻人と千歳のイラストを公開しております。 こんな感じとイメージして頂けたらと思います。 渚に会いに行こうとする叶芽を藤堂は止めた。 ちゃんと分かって貰おうと説明しようとするも、叶芽は遮って藤堂の手を振り払おうとする。 どうか落ち着いてと諭すも叶芽は泣き出してしまった。 その涙を見て心が痛まないわけは無い。 だが、自分が悪役になってでも藤堂は2人を引き離さなければならないと割り切るしかなかった。 「お気持ちは痛い程分かっているつもりです。 ですが貴方は柊家の人間で、宮市さんは残念ながら家柄はあまり宜しくはございません」 「だから何? そんなの関係無いだろ!? ナギは優しいし、いつも俺の事大切にしてくれる」 そうだ。ナギはいつも自分の気持ちを優先してくれて、大切にされてる。 家柄なんてなんの関係があると言うのか? そう叶芽は憤る。 だが、藤堂は引かない。 寧ろ眉を潜め、こう問うた。 「ではもしその彼と結ばれたとして、本当に幸せになれるとお思いですか?」 「な…に………」 「柊家は日本を代表する名家です。 そこに宮市さんが入ってきたらどうなるか……… 宮市さんと貴方はずっとひそひそと陰口を言われる事になるでしょう」 「……………」 そう言われて押し黙ってしまった。 自分と一緒にいる事で渚が傷つく事になるかもしれないと考えると藤堂の言う事を否定出来なくなってしまう。 「後生ですからどうか………」 藤堂は叶芽に深々と頭を下げて受け入れて下さいと懇願した。 その姿に叶芽は漸く口を開いた。 「…………ごしょうって何?」 「……………」 藤堂が言った後生の言葉を知らない叶芽はこの雰囲気の中空気も読まずそう聞いた。 そんな叶芽に苦笑し、藤堂は頭を上げ優しく後生の意味を教える。 「後生とは2つ程意味があるのですが、私が言った後生だからは、一生のお願いと言う意味です。 叶芽様、一生のお願いですから私の言う事を聞いて頂けませんか?」 藤堂は改めて叶芽にお願いした。

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