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第2話
午後6時を回り、難なく仕事を終わらせ、帰る支度をしていると、
「おーい、守人、金曜なんだし飲みに行こうぜ。」
話しかけてきたのは同僚の坂本 幹太 、仕事仲間の中で唯一俺の腹黒性格を知る、なんでも話せるやつである。
「おー、いいな、行くか。」
「おっ、なんだ、飲みに行くのか、なら大人数の方が盛り上がるだろう。せっかくなんだしみんなで行こうよ。」
うげっ...島田 部長、、奢ってくれるのは嬉しいが、何かと大人数にこだわる。そして必ず酔い、1人が拉致され上司の愚痴聞き担当 "島田の生贄" となる。
まあ、女の子からの黄色い声が聞けるのは嬉しいけど?でももし俺が生贄担当になったら女の子とも話せねぇ...
まあ、上司の誘いを断れるはずもなく…。
(なんで今日に限って俺なんだよ…くそっ、)
結局20人近く集まってしまい居酒屋で飲むことになってしまった。
更には、奥のテーブルで新堂が4、5人のOLに囲まれている。
おい新堂、そこをかわれ!上司を労われコノヤロウ
愚痴聞き担当には暗黙のルールが存在し、1つは自分はほとんどお酒を飲めないこと。
そしてもう一つは上司の愚痴が終わるまでトイレ以外の理由で席を立てず、帰れないという事。
...まあ、愚痴が途中で終わることは今まで1度もなかったから、店を出るまで話を聞き続けなければならないと思ってもらってもよし。
「んでよぉ、おれがいってやったわけよォ〜」
出ました、島田部長の十八番である武勇伝。上司に啖呵を切ったとか、論破したとか、もう同じ話を二十回は聞いている。十八番もびっくりである。
これが始まると長い。愚痴より厄介者。
そんな時だった。
「まはべかひょう」
呂律が回っていないその声の正体は新堂であった。
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