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第9話
俺の戦歴の数々を話してるとは思いもしなかった。てか教師がそんな事生徒に話すなと思ったが、中沢は今度会ったら一発殴る事にした。
くだらない話をいつまでしてても終点が見えない。俺達は適当に菓子やら飲み物を買って家に戻った。
家に戻ると伊織は一旦服を着替えてくると言って自宅に戻った。俺の方は帰ると両親どちらもおらず、今日は遅くなると留守電に連絡が入っていた。
「おじゃまします!」
三十分くらいして伊織がやって来た。
「おう、勝手に俺の部屋に行っててくれないか?俺はいろいろ持っていくから」
「うん!」
バタバタと階段を上る音が聞こえ、俺はコップやらなんやらを持って二階に上がる事にした。部屋では満面の笑みを浮かべ嬉しそうにしている伊織がベッドにもたれて座っていた。
「なんかお前が俺の部屋にいても全然違和感ないな」
「だってよく遊びに来てたから」
「来てたのは知ってるが、もしかして俺の部屋にも入ってたのか?」
「だっておばさんがいいって言ったから」
本当に中沢と言い、母親と言い、俺のプライバシーをなんだと思っている。とは言いつつも、いない人物に文句を言っても仕方ない。
伊織はペットボトルの飲み物をコップに注ぐ。俺は缶のプルタブを開けビールを飲もうとしたら、コップを持った伊織が俺の方にコップを向けて来た。
「何だ?」
「コウちゃんのお帰りを祝って乾杯!」
「出戻りは祝うものなのか?」
「いいから!」
いろいろと後ろ暗い肩書を持つ俺を歓迎してくれるのは伊織だけだ。缶とコップがカチッと音を鳴らす。
「コウちゃんはもう都会に行かないの?」
「あぁ、都会はもうこりごりだな。これからこっちで職探して死ぬまでこっちにいるよ」
「そっかぁ!よかった」
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