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第25話

 温かいのは温かいが、落ち着かない。だって俺を後ろから抱きしめる伊織の腕や吐息。その生温かい吐息が俺の耳を掠める度に妙な胸騒ぎがした。 「な、なぁ……参考までに聞くが、お前は俺に何をしたいわけ?」 「何って……それをこの状況で本人に聞く?」 「あ、いや……俺が間違ってた」  顔が火照る。俺はなんて質問してるんだ。そう思っていると、伊織の手がスルリと俺の下半身を触ってきた。 「お、おい!何もしないって……!」 「しないよ。けど、コウちゃんがどうしたいかって聞いてきたから。そうだね……コウちゃんのここをコウちゃんが満足するまで嘗めて、それからここに俺のを入れたい」  下半身を触る手がそのまま尻の方にある窄まりを撫でた。 「待てよ!俺が掘られる方なのか?」 「うん。ダメ?」 「ダメも何もあるかよ!大体年上の男のケツに突っ込みたいって……」 「歳は関係ないでしょ?俺はコウちゃんが入れたい」  聞くんじゃなかった。本当に後悔した。まさか俺が掘られる方に回るとは……  後悔している俺をからかうかのように、伊織が俺の耳をカプッと噛んできた。 「伊織!」 「コウちゃんってホントおもしろいね。ねぇ……どういう心境で俺にベッドを勧めたの?」 「どうって……お前が一人でソファに寝てるのがいたたまれないって言うか……」 「そっか、コウちゃん俺の事考えてくれてたんだね。嬉しいよ」  チュッと首筋に伊織の唇が落ちてきた。その瞬間身体中にゾクリとした何かが走った。それは別に嫌悪感ではない。 「コウちゃん?」 「な、何もしないって言っただろ?」 「うん。別に首にキスしただけだよ」  それでも十分だろ!そう反撃したかった。でもそれが出来ずにいると、伊織の行動がさらに大胆なものになった。 「あっ……!お前……!」  ぬるりとした生温かいものが首筋を這った。それが舌なのは一目瞭然だ。 「おっさんの首なんか舐めたって臭いだけだろ!」 「そんな事ないよ。いい匂いがする」 「んっ……!」  さっきのキスよりも深く強いキスが首筋に落ちた。腕は動いていない。口元だけがやらしく俺の首に絡まっている。 「お前……!今絶対痕つけただろ?」 「わかんない。だって暗いし見えないし」 「あのなぁ……これ以上はするなよ!」 「はいはい。でもさ……コウちゃんはそれでいいの?」 「何が?」 「これ……」

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