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第38話

****  公には出来ないものの、ようやく俺とコウちゃんは恋人同士になった。本当はコウちゃんの気持ちわかってたし、あの時女の子が俺の家に来たのを見たっていうのも実は知ってたんだ。  本人は必死に存在を隠してたみたいだけど、電柱に隠れた際に人影が地面に見えたし、時間も時間だからコウちゃんだろうってのはわかってた。まぁでも、俺とあの子でやましい事は何もなかったし、コウちゃんが心配するような事は本当に何もない。でもコウちゃん自身が何もなかったら、隠れたりしないだろうから、これは何かあるだろうと思って、その日にわざとコウちゃんの家に行った。  案の定コウちゃんは俺と目も合わせてくれなかったけど、それも範疇内だから気にしてない。むしろ大事なのはその後で、コウちゃんがどうして隠れたりしたのか聞きたかった。ちゃんとコウちゃんの口から。だからカマかけるような事したんだ。  口でちゃんと俺の事、好きって言わなくても、コウちゃんが俺を好きってのは伝わったよ。いつかちゃんと聞きたいとこだけど……その前にやっておかなきゃいけない事がある。  コウちゃんが俺に対してブレーキをかけてる理由。  それを聞かない限りはコウちゃんは素直に好きって言ってくれないだろう。  恋人同士になったのに、時折切ない顔をするの、俺が気が付いてないと思ったかな?そんなのとっくに気が付いてるよ。コウちゃん……

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