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ふたりのゆめ-4
「俺もお前と一緒にいたい。お前以外は考えられない」
「うん。戸籍上は無理でも、俺達だけの間なら許されるよね?コウちゃん。俺と結婚して」
「あぁ……ずっと、死ぬまでお前といる」
俺にはこいつだけで、伊織も俺だけだ。今なら同僚の気持ちもわかるな。どんなに周りが言ってこようと、俺はこいつと離れたくないし離れられないんだ。その想いをこれからも貫いていこう。
「今度お互いの両親にちゃんと話そう」
「あぁ、それなら……」
ピタッと止まり、俺の言葉に反応した伊織だが、何かあったのか?
「もうコウちゃんの家も俺の家も知ってるよ」
「はぁ?」
「そりゃお互い同じデザインの指輪してたらわかるでしょ?それでなくとも女の人って感が鋭いからさ。母さん達は前々からそうだって知ってたみたいだよ」
まったくもって知らない話だ。しかもうちの両親も伊織の両親も何も言ってなかったぞ!
伊織の話を聞けば、「いつかこうなると思ってた」と言われたそうで、元々伊織が俺を好きと言うことを常日頃から(特にガキの頃)言ってたらしいから、両親も「はいはい」と言う感じだったらしい。
「孫の顔が見れないのは残念だけど、将来的に自分達の面倒見て、お互い幸せならいいわよって言ってた」
「な、なんかあっさりしてるな。俺かなり悩んだのに……」
っと言うよりも母親から次はないかと聞かれたんだが、その辺りはどう説明してくれるんだ!
「お互いの両親が理解ある人達でよかったね」
「あ、あぁ……」
それを考えると俺達は恵まれてる方か。ともあれ俺達はこれからも一緒にいて問題ない事は判明した。
伊織が風呂に入っている間、俺は両親に電話して聞いてみる事にした。すると答えはあっさりしたものだった。
『だって浩二が悩む姿見たかったし、どんな反応するかなぁって思ったのよ』
そう言うことだ。なんて親だ!俺はいろいろと真剣に悩んだのに!それに加えて言われたのは、
『伊織ちゃんだったら大歓迎よ。小さい頃から言われてもの。コウちゃんをくださいって。いやぁ、あの時の伊織ちゃん真剣で可愛かったわ!』
本当に能天気だな。うちの両親は!
電話を終える頃に伊織が風呂から上がって来た。
「コウちゃん?電話?」
「あぁ、母さんに聞いてみたんだ。母さん前、俺に二度目はないのかって言ってたからな。まさかあの時カマかけられてたとは……」
「ははは、おばさんらしいね」
「まったくだ!ホントいい迷惑だよ!」
息子を振り回す親なんて他にいないだろう。俺達の関係に水差しやがって!
「でもさ、これでコウちゃんも安心出来たでしょ?」
「あぁ……」
「って事で、これからも末永くお願いします」
改まって言われると恥ずかしいが、俺も「こちらこそ」と言って返事を返した。
「あと一年って……ホント長いよね?」
「まぁな。でもすぐだよ」
「そうだね。コウちゃんこれからもずっと一緒だよ。愛してる」
「俺も……」
そこには教会の鐘も牧師もいなければ、祝福してくれる大勢の人もいないかもしれない。雑多な部屋で俺と伊織はキスをして誓いあった。
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