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第39話
「こうなるって覚悟の上で煽ったんだもんな? 俺は謝らねぇぞ」
悪戯に笑って見せる仁作に、鴬は至高の昂りを感じずにはいられない。恍惚の笑みを溢して「そのまま擦って」と懇願した。
「へぇ……こういう時のお願いの仕方も会得済みってか」
先端から滴るカウパーを潤滑剤にして、強めに握った仁作の努力が窺える硬い掌が不規則に性器全体を回り始めた。視線をそこへやらなくても、自身の一物が悦楽の境地に達しそうなのは、迫りくる大きな波で予感できる。
「仁作……っもう——」
「……」
一心不乱に扱かれて、仁作が無視したことなど頭の片隅にも置く余裕などなく——多少の痙攣と粘着質な体液を一斉に解き放つ快感に酔いしれる。
「おいおい、そんな派手に……続けられそうか?」
息も絶え絶えの鴬は、それでも自信満々に「僕、高校生でしたい盛りなんですけど」と煽る。まだ、仁作と繋がれていない。それだけが、鴬のHPをゼロにしない理由だった。
仁作は葛藤から解放されていたはずなのに、また、優しい手つきになってローションを孔へ塗り込んで、指を挿入する。
それがどんなにすんなり入っても、指がローションと腸液でふやけると思われても増やさない。後ろでうつ伏せになって緩い快感に耐えながら、鴬は自身のナニを触ることを我慢して後ろ手に仁作の手首を捕まえる。
「余裕出てきちゃたの……?」
「そんなことない。この瀬戸際の興奮に慣れてきただけだ」
「慣れた……?」
理性も自制心もオフにして身も心も曝け出している鴬は、また不安定に「やだ、ヤダヤダヤダヤダ! なんでそんなひどいこと言うのさ!」と癇癪を起こした。腰をくねらせて座る。
「さっさと突っ込んで、たが外しなよ!! ——僕だけって感じさせてよ……」
切羽詰まった鴬を見て鼻で笑った。真面目な仁作が。
「おいおい、どんだけ俺に執心だよ。笑えるくらい、俺だけだな」
「ひ、酷い……最初からそう言ってたじゃん!!」
「ごめんって。こんだけ相思相愛な恋愛って世の中そうそうねんじゃねぇか?」
座り込んだ鴬を後ろから抱き込んで、股に滑り込ませた仁作の手は再度孔に挿入されていく。
「一方通行だと思われちゃ困るから言っとくが、鴬が雑な触り方が気持ちいのはわかったが、俺が優しくしたいって言う情緒あることを言ってるんだ。自制心を闘いながらってのも一興だと思ったんだよ」と仁作は鴬のナカを粘着質な音を立てて口説き落とす。
「前戯は緩いかもしれんが、残念ながら、本番は気を失うまでしちまうから、な。前戯くらいはお互い情愛に満ちたセックスしようぜ」
そして、翌日も先日と似た構図で仁作に起こされるのだ。
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