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夜明けの華 20

「は、はらだの中、すげぇ、きっつい、し……あつい……気持ちい……」  息を荒げながら、ゆるゆると腰を動かす肇の動きに併せ、内側から肇の棒を締め付けると、肇の口から喘ぎ声が漏れた。 「あんたの、ここ……どうなってんだよ……」 「ふ……、肇の、喰っちゃったな……」  出し入れを繰り返す結合部が肇に見えるように、蓮は身体を仰け反らせた。 「す、すげ……えろ……」  蓮の中で、肇のものが体積を増した。若く、はちきれんばかりの、圧迫感。  蓮は半起ちで揺れる自分の陰茎に右手を添え、ゆっくりと扱き始めた。 「お、おまえ、この状況で、オナニーかよ」  エロすぎだろと自分を見下ろす肇の顔を眺めながら、笑顔を見せた。でも、蓮の脳裏に映るものは、目の前の肇ではない。 (社長……社長、もっと、激しく……)  光石との情事を思い描きながら、蓮は勢いよく果てた。飛び散った精液は、肇のみぞおちへ跳ね、ゆっくりと滴り落ちる。  緩んだ身体は激しくゆさぶられ、思うままに腰を打ちつける肇に全てをゆだねた。 「い、いく、もう……中で、いく」  言葉と同時に、肇は蓮の中で勢いよく欲望を吐き出した。  若い肇はそれだけでは到底終わらず、行為は明け方まで続いた。 ◇◇◇◇◇  藤田が出勤する前にと、なんとかシャワーを終え、自室のベッドに倒れこんだ頃には朝の六時を回っていた。 「あの……クソガキ……」  あの体力は想定外だった。考えてみれば、猿の時期のガキんちょはあんなものかと、疲れきった頭で納得する。  ノックもなく扉が開き、ぎょっとして振り返ると、制服に着替えた肇が立っていた。 「おい、大丈夫か」  ベッドへ近付いてくる肇から視線をそらし、蓮は再び枕へ顔を押し付けた。 「大丈夫なわけあるか……」 「わ、悪かった……」  しょんぼりと肩を落とし、もごもごと謝罪の言葉を告げる肇の様子に、怒る気も失せてしまう。それに今回は明らかに自分の失態だった。多感な時期の子供にあんなものを見せてしまった。はあ、とため息をつく。

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