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Daichi Side 1-5

……だから、城野は嫌いなんだよ。 頭いいし。ものすごく切れるし。 アイツの前でなんか弱点なんか見せようなら、つけこまれるよ。 「あぶねーよアイツは色々と」 俺が呟いていると、俺の腕の中でごそごそと何やらしている……? 「あ、ごめん。有希。小さいから忘れてた」 そういえば、有希をずっと口押さえて捕まえたまんまだった。俺が、パッと離すと。 「小さい言うな!!」 有希が怒り出した。 「小さいから小さいって言ったのに」 「大地がでかすぎなんだよっ」 俺はさらに怒り出した有希に謝るけど、でも、なんかその怒り方も全然怖くなくってなんかニヤニヤしてしまう。 有希が、 「『出来てる』って?」 って言って来た。 「いいの。気にするな今度説明するから」 「気になる!!」 「おまえ、分かってて言ってるんだよな?」 有希のでっかい目を覗きながら言った。 「何?」 ……コイツ、マジで知らないで聞いてる? 「ほら、もう授業はじまるから」 と、言ってごまかした。 ……… ……… さっき、城野に結構言われて、煽られた。言われたとおり、俺は、「本命」には手出せないタイプだ。 でもねえ。こいつの色々見てると、なんかもう限界かも。 行き成り襲いたくなるよなあ。ゆっくり口説くかと思ったけど。 コイツの場合。 ゆっくりしてたら。気がつかない気もするしなあ。 よしっ 俺は、有希の座っている席のほうを見てにっこり笑った。

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