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Daichi Side 1-4

城野はなんとも言えないような微笑みをする。 「そうでしょうね?手の早いアナタの事だし?」 コイツ・・・ 「手ぇ早い?ってかまんまソレ返してやるわ」 俺は上から城野を見下ろすようにして睨んで言った。 コイツに成績で勝てる自身はないけど背の高さは勝てる。 「そうですか?僕は中田くんほどではないですけど?」 ものすごく冷静に言いやがる。 「学校一持てるお前が何をいう?」 「その言葉まんま返しますけど?中田くんあなたこそでしょう?」 俺とコイツはこの学校でモテの1,2を争う程なんだよな。俺はコイツには成績以外は勝ってると思ってるけど……。 「そのアナタが、数々の『お友達』をなんで切ったのかと思ったら……原因は有希くんでしたか?」 「何が言いたいんだ?」 「いえ、そんなアナタが有希くんに手出さないわけはないですよね?」 「……だから、有希に手ぇ出すなって言ってるんだよ」 「わかってますよ。僕だって、人のものには興味ありませんし。でも、アナタは『本命』には手出さないタイプだと思ってましたから、意外でした」 コイツ……。見透かしてやがる。 「それとも、有希くんは、本命じゃないのかな?」 クスっと笑って、城野は、 "……それだと、アナタが自分の周りの『お友達』を一掃した理由がわかりませんけど……" と、独り言のように言ってからその場から離れていった。

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