4 / 21
Daichi Side 1-4
城野はなんとも言えないような微笑みをする。
「そうでしょうね?手の早いアナタの事だし?」
コイツ・・・
「手ぇ早い?ってかまんまソレ返してやるわ」
俺は上から城野を見下ろすようにして睨んで言った。
コイツに成績で勝てる自身はないけど背の高さは勝てる。
「そうですか?僕は中田くんほどではないですけど?」
ものすごく冷静に言いやがる。
「学校一持てるお前が何をいう?」
「その言葉まんま返しますけど?中田くんあなたこそでしょう?」
俺とコイツはこの学校でモテの1,2を争う程なんだよな。俺はコイツには成績以外は勝ってると思ってるけど……。
「そのアナタが、数々の『お友達』をなんで切ったのかと思ったら……原因は有希くんでしたか?」
「何が言いたいんだ?」
「いえ、そんなアナタが有希くんに手出さないわけはないですよね?」
「……だから、有希に手ぇ出すなって言ってるんだよ」
「わかってますよ。僕だって、人のものには興味ありませんし。でも、アナタは『本命』には手出さないタイプだと思ってましたから、意外でした」
コイツ……。見透かしてやがる。
「それとも、有希くんは、本命じゃないのかな?」
クスっと笑って、城野は、
"……それだと、アナタが自分の周りの『お友達』を一掃した理由がわかりませんけど……"
と、独り言のように言ってからその場から離れていった。
ともだちにシェアしよう!