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Daichi Side 1-3
「ちょっと、有希、来い」
俺は、思い切り有希の手を掴んで引き寄せた。
「え?何?痛いよっ」
「城野はヤメロ」
「なんで?」
「なんでって。危ないから」
「ふーん??」
キョトンとして言ってる有希。
城野は手出すのが早いから危ないんだよ。
「城野くーん。ごめーん。ノート借りちゃダメだって~」
「そう?何で?」
「うーんとね。大地がね。ダメだって。城野君は危ないから?城野君って危ないの?」
ってマテ。有希。何故そんな事を大声で言ってる?しかも本人に。
・・・・オイ。
城野、顔が引きつってる。
あはは。なんか楽しい。
有希は明るく能天気に言っている。というか、有希のその天真爛漫さって言うのか……。
そう言う所はある意味最強。無敵だよな。
周りでこそこそ言う声が聞こえる。
「有希、授業始まるから。教室入れ」俺は再び、有希の手を引っ張った。
ひきづられながら、有希は城野の傍を通った時に、
「城野くん怒った?ごめんね?」
最高の可愛い笑顔で城野に言った。
まずいな。こんな顔を、しかも城野なんかに晒してさ。
俺がこんなに必死になってるのに。
「怒ってないよ?有希くん。君にはね」
城野は、俺のほうをちらっと見て言った。
「それより、中田君と君はもう出来てるってこと?」
「え??えと」
有希は目をパチパチさせていた。有希が何か言いそうだったので、俺は、その口を押さえて言った。
「ま、そういう事だよ?城野。だから、コイツには手え出すなよ?」
有希が何かもごもご言ってるけど。構わずに押さえた手は離さなかった。
嘘も方便。そう言わないとコイツはマジで有希に手出しそうだからな。
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