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第16話 ウソ ♥

「いやいやいや、ちょっと待って、髪がボロボロだし、下に遼太の家族もいるし…っ!!」 部屋に入るなり、抱き着こうとしてくるから当然身構える俺、さすがに今日はまずい。 近づいて来る顔をグイグイ押し戻しているのに遼太が全然引かない。 「友也、大丈夫だって、大声出さなければっ。」 「えっ?…いや、だってほら、髪だって変だし、もっとちゃんとした時のほうが…。」 「全然、大丈夫だって、いつもと雰囲気違って、かわいい。」 「かわいいっ言えば、なんでも出来ると思ってるよね。」 「…ばれた?うそうそうそっ!!かわいいからっ!!ちょっとだけ、ねっ?」 ああ、俺の好きな人懐っこい笑顔を向けて来ないでよ。 …ちょっとだけって?なにするの? 助けてもらったから断りずらいんだけど…。 抵抗を止めて「ちょっとだけなら…」と横を向いて呟くと「ちょとだけなっ」と正面から抱きすくめられて、俺の背中に遼太の腕が回された。 俺より頭一つ分は背いが高い遼太に抱き着かれると、結構すっぽりと包まれてしまう。 頬に当たる遼太の頭が少しずつ位置を変えて唇と唇が重なり開くように誘導されて、少し開いた唇は温かい舌の浸食を拒むことが出来ず、受け入れて開いていく。 「ん…っっっ…あっ……!!…!!!…!!!」 後ろ頭に手を回されてて息が出来なくなるほど強く塞がれて、さすがに苦しくて遼太の胸を叩いた。 乱れる息で「強すぎ…、苦しい」と訴えると「ごめん、もっと優しくするから」と謝ってきて、遼太のベッドの横に床に並べて敷いてあるお客様用布団の上に連れて行かれ、ふかふかする布団の上に組み敷かれた。 優しくするとか言いながら、余裕がないのか結構乱暴、手荒に服を脱がせに来る。ベルトを引き抜かれてズボンに手がかかった時に腕を掴んだ。 「…ホントに、ここで?遼太?本気?」 「すっげぇ、本気!!絶対やる!!」 喜々としている遼太が、嬉しそうに尻尾を振る犬に見えた。 「ちょっとだけじゃないじゃん…。」と呟いているうちに服は無くなり、身に着けているのは遼太のくれた黒色のチョーカーだけ。 大丈夫だと思うけど、部屋の扉が開いたりしないかが少し心配、俺の目線に気づいてか、いつのまにか全裸になっている遼太がドア前に椅子とか重そうなものを置いて、明かりを消して、タオルを渡してきて…、ゴムやらローションも…。 机の引き出しから、いつぞやの太い首輪と手錠を出そうとしたのは「それはいらないから!!」と声を上げた。 布団の上に身を屈めて座る俺に遼太が優しく聞く。 「後は?何をクリアしたらいいの?」 「やさしく…かな…」 「がんばるけど、痛かったら言って!!」 「痛いって…。」 怖がる俺の手を掴んで自分のモノに触れさせた。何に興奮しているんだか分からないけどすごく大きくなっている。「ねっ、すごいでしょ」みたいな顔されても…。 「友也ごめん、先に挿れてもいいかな、もう、全然がまんできなくってさ。」 切なげに言われると脚を開かざるを得ない気持ちになった。 広げた脚の間に遼太が割り込んできて俺の窪みに熱い塊が押し当てられた。 ヌルつく液体と遼太の重みで窪みは少しずつ開き広がっていく、全部入り少し苦しくて体がビクつくし呻くような声が口から漏れた。 「ごめん、すぐ出すからちょっと我慢してて。」 覆いかぶさる遼太は余裕なさげで、俺がうなづくと激しく腰を打ち付けてきて、がまんしなきゃいけないのに、声がっ…。 「いっ…ゃあ…っっ…!!!!ふさ…いっでっ…っ!!!あっ…んぅぅぅっっっ!!!!」 近くにあったはずのタオルがなくって、両手で口を押えようとしたら手首を掴まれた。 奥歯を噛んで声を出すのを必死に抑えていたら、荒い息を吐きながら「もう少し」と囁かれて、安心したのか腹の中を擦られる感覚と必死そうな遼太の顔に体が欲情し始めた。 グチャグチャと聞こえる水音、体を打ち付けられる音…。 俺の口かから漏れる息、遼太の荒く激しい動き…。 すべてが蕩けそう…。 両手首を押さえつけられて、密着度が上がっているから俺のモノが覆いかぶさる遼太の腹に擦れて…。 擦れた先が伝える快楽…ああ、でも… …そんな、イきたくはないっ!! 「すぐ出す」とか言ってた遼太より早くなんてっ!! ンッゥッ…!!!…!!…!…!!!!!!!! …!!!…!!!!!!!! …!!!…!!!!!!!!!!!! …ま…まっ…てっ…!!! …もぅ…がまん…で…き… 「遼太ぁぁぁ…っ!!!もぅ…ダメッぇぇ…!!俺がイッちゃ…アァァァ!!!!!!」 精液が一気に駆け上がり、快感で体が震える。 …ぁ…遼太より先に……… 乱れた息を吐きながら、目を反らす、顔も体も熱い…。 脱力した俺を「かわいい」とか言って撫でてきたけど、ウソをついていない? 「すぐ出す」とか「もう少し」なんて、全然ウソじゃんと思った。

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