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第22話 ワンコ生活 2.25日目 ♥

…あっ…えっ…? 異変を感じて目が開いた。 ちょっと状況を整理しよう。 昨晩は、なんだかんだ言って射精が遅い遼太がイクまで、なんとか付き合って寝たような気がする。 睡魔でクラクラしてたから2階の遼太の寝室まで行くのが面倒で、クッションを枕に炬燵に入って寝てしまったはず。 朝なのか昼なのか分からないけど、部屋の中は窓から入る日差しで明るい。 スマホを取り上げられていてアラームが鳴らないから起きられない、寝るだけ寝てしまった。 それは、まあ、いいんだけど。 …えっ…? ……!!! 横寝向きの姿勢で寝ている俺の後ろで、何かがゴソゴソ動いているというか挿れられているような? 朝なのか昼なのかは分からないけど、炬燵の中で目覚めたら挿れられていた。 多分丸く開いている俺の後孔に多分遼太のモノが浅めに出入りしている。 振り返ってないから見てないけど、枕代わりのクッションが腕枕に変わってるし、結構すっぽりと背後から覆いかぶさられている。 俺がいつまでたっても起きないから、遼太が起こそうとしているのか? でも、この起こし方はどうなんだ?普通に起こせよ。 なぜか勝手に盛り上がっているか、耳の後ろとか首筋を噛まれ始めるし、腕枕じゃない方の手が胸とか腹とかを撫でまわしてくるので寝たふりするのも苦しくなったので声をかけた。 「…なにしてる?」 「あ、起きた?おはよ、寝顔が可愛いから、つい…。」 「…つい?」 「可愛いなぁ…って。」 「…そうなんだ…今、何時?」 「朝の7時過ぎかな?」 こんな朝早くから…元気すぎる…昨日したのに。 「俺は朝から何してるんだろう?」と顔を隠してプルプルしていると後ろ頭に顔を擦り付けながら「後ろからっていいね、抱っこしている感じがするし、ちょっと興奮する」とか甘く囁き出して、抽挿が早くなった。 ううっ…朝早すぎて、俺の気分が全然盛り上がらないよ。 どうしよう、このまま大人しくしてたら勝手にイってくれるかな? 俺が眠くて脱力気味で反応が悪かったのが良くなかったのか、「起きろよ~」とか言われて炬燵からズルズル引きずり出されてしまって、結構寒い。 炬燵から出されてみると俺はパジャマの上しか羽織ってないし、向かい合って座っている遼太は朝早いのにやる気に満ち溢れているか全裸だし、顔には「ちゃんと遊んでくれ」って書いてるし…。 ううっ…起きて頑張るしか選択肢が無いような気がする。 とりあえずキスでもするかと顔を近づけた時「ピンポーン!」と呼び鈴が鳴ったので慌てて遼太に問いかけた。 「遼太のお母さん帰ってきたのでは。」 「ん?帰るのは明日だから、近所の人かも、無視無視。」 「出なくていいのか?」 「誰も出て来なきゃ帰るよ。」 そういうものなのかと納得して続きをしようとしたら「ピンポーン!」の鬼連打が始まり、「遼太ぁッ!!生きてるかぁッ!!」と尋常じゃない様子の男の声が玄関付近から聞こえてきた。 玄関の扉はガンガン叩かれるし「遼太ぁッ!!」「遼太ぁッ!!」って叫んでうるさい。何があったのかは分からないけど、さすがに対応した方がいいので「行って来たら」と遼太に言うと何故か渋い顔をする。 ゴソゴソと脱ぎ散らかした服を着る遼太が俺に「トイレとかに隠れててくれる?」と言うので指示に従った。 玄関からさほど遠くないトイレに入っていると、ガラガラと玄関の引き戸が開けられる音がして遼太の男友達らしき声が複数聞こえてきた。 冬休みとはいえ、朝早くから皆元気だなと思いながら耳を傾けた。 「遼太ぁッ!!居るんなら早く出て来いよ!!ラインもメールも電話も全然出ないし、死んだかと思ったぞ!!」 「…死んでねーよ。ちょっと忙しかったからさ、で、何の用?」 「何の用じゃねーよ、クリスマスパーティの後はさっさと帰っちまうし、遼太が居ないから女の子達が二次会行かねぇとか言い出すし、大変だったんだそっ!!」 「別にそれ、俺のせいじゃねぇし…、ってか、帰れよ今、忙しいんだよ。」 「あ゛あっ?何が忙しいんだよ、冬休みだろ?ってか、カラオケ行きたくても遼太が行かないと女の子が集まらねぇから、てめぇ、さっさと着替えろ出かけるぞ!!」 「だから、今、忙しいって言ってんだろっ!!女の子女の子って、自分の力で誘えっ!!」 「俺が誘っても来ないから言ってんだよっ!!なんだよ今、忙しいって…、あっ、お前の母さんの自動車ないじゃん、もしかして誰か連れ込んでるのか?」 「…違うよ。マジで帰れよ。今度付き合うから。」 「誰?誰連れ込んでるの?あいり、りか、かおる、るりえ、えりか、かなこ、こゆき、きらら、らあな、ななほ、本屋のおねーさん?の誰だよっ!!」 「うるせぇぇぇぇっ!!マジで帰れっ!!!っていうか死ねっ!!」 「心配して来てやってやってるにっ!!なんだ、それはっ!!」 「うるせぇぇっ!!!」「なんだ、ゴラぁっ!!!」 「◎#Θ▲□×Ψ…!!!」「#▲Ψ☆◎□××Ж■!!!」 ぴっしゃゃぁぁんっ!!! 遼太と遼太の友達がガンガン言い合った後、玄関の扉を強制的に閉めたので言い合いが終わった。 まあ、遼太がモテるのは知ってたけど、すごく多くの名前が上がってような…、あいり、りか、かおる、るりえ…その後が、えりか、かなこ、こゆき…きらら、らあな、ななほ…最後が本屋のおねーさん? …!!!えっ?ちよっと待て、なんかすごい!!! 俺が隠れているトイレのドア前に溜息を付いている人の気配、遼太かな? ドアをノックするから出ていくと、すごく気まずそうな顔をしながら俺に言う。 「聞こえた?なんか色々聞こえちゃったりしている?」 「まあ、大声だったからよく聞こえた。それよりさ…」 「あああっ!!!付き合ってるとかじゃないからっ!!!」 「うん、わかった、それよりさ…」 「うあああっ!!!ホント付き合ってるとかじゃないからっ!!!」 「いいよ、そんなこと、それよりさ…」 「ああ゛あっ!!!怒ってる?帰ろうとしている?!!!」 「それよりさ…」の後を言いたいのに、言おうとすると遼太が言葉を被せて来るから言えない。 モテる遼太が好きだから全然気にしてないのに、数は多かったけど。 それにしても遼太と遼太の友達も気付いているのかな? 女の子の名前で、「しりとり」が成立していること、ちょっと感動した。 この後、俺が「謝らなくても、いいよ」と言ったら遼太の目には俺が怒っているように見えたらしくて、小一時間ばかりしてもらわなくてもいい謝罪を受けた。

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