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第6話*

「俺のこと好きか?」  稔は何度もこくこく頷いたけれど、聖司はそれでは満足してくれなかった。 「ちゃんと言葉で表現しろよ。『好き』って」 「……好き……」 「もっと」 「好き……聖司さん、好きです……大好き……」  譫言(うわごと)のように繰り返していたら、聖司のものがぐぅっと大きくなった。  甘苦しい圧迫感に呻いていると、今にも爆発しそうだった陰茎に手を這わされ、 「まだイくなよ? 俺と同じタイミングに合わせるんだ。……この意味、わかるな?」 「っ……」  その台詞だけで、軽くイきそうになった。 「は、い……」  稔は自ら股間に手を伸ばし、自身の根本をぎゅっと握り締めた。  それを見た聖司は満足げに微笑み、最後の律動を開始した。  細腰を掴まれ、狭い小径を太いもので押し広げられ、柔らかな肉襞を強く擦られる。腹の底を突き上げられたかと思いきや、ギリギリまで引き抜かれ、ゆるゆると入口を刺激された後、再び最奥まで貫かれる。  そして中を突かれる度に、中に入りっぱなしだったローターが更に奥に押し込まれていって、骨盤の裏側まで甘く痺れる。失神しそうなくらい気持ちいい。 「ああ、いい……っ、いいです、聖司さ……あぁん!」 「ふ……最初は怖がっていたくせに……ローターごと貫かれるの、やみつきになったか」 「ああっ! んう、うう……はあぁ……んっ!」 「本当に……根っからのドM野郎だな」  そう言う聖司の声にも、艶っぽさが混じっていた。耳元に唇を寄せられ、低い声で直接囁かれる。 「……そろそろ出すからな」  それを聞いた瞬間、鼓膜と共に全身が震えた。無意識に肛門をきゅうっと締めてしまった。食い込んでいる聖司がドクン、と大きく脈打った。 「っ……あっ! ああぁ……っ!」  白濁が腹の間で散ったのと同時に、熱い奔流が体内で迸った。ようやく本来の絶頂に至った開放感と満足感が、全身を満たしていく。  ああ……この感覚、ホントに幸せ……。 「おい、稔」  軽くペシペシ頬を叩かれ、稔はハッと目を開けた。どうやらイった瞬間、数秒だけ軽く失神していたようだ。 「何を呆けているんだ。トッピングの練習をするんじゃなかったのか」 「あ……そ、そうでした……!」  ようやく拘束椅子から解放され、気だるい身体に鞭打って立ち上がる。  見かねた聖司が肩を貸してくれた。 「ありがとうございます、聖司さ……」  その時、ベッド脇の時計がカチッと鳴った。 「……あ」  時間を確認したら、文字盤が「十二」のところを差していた。どうやら日付が変わってしまったようだ。 (あちゃー……当日になっちゃった)  それならそれで仕方がない。稔は聖司を見上げ、笑いかけた。 「聖司さん……お誕生日、おめでとうございます」 「……ああ」  すると聖司はやや照れくさそうに微笑み、くしゃっ、と髪を撫でてくれた。

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