6 / 6
第6話*
「俺のこと好きか?」
稔は何度もこくこく頷いたけれど、聖司はそれでは満足してくれなかった。
「ちゃんと言葉で表現しろよ。『好き』って」
「……好き……」
「もっと」
「好き……聖司さん、好きです……大好き……」
譫言 のように繰り返していたら、聖司のものがぐぅっと大きくなった。
甘苦しい圧迫感に呻いていると、今にも爆発しそうだった陰茎に手を這わされ、
「まだイくなよ? 俺と同じタイミングに合わせるんだ。……この意味、わかるな?」
「っ……」
その台詞だけで、軽くイきそうになった。
「は、い……」
稔は自ら股間に手を伸ばし、自身の根本をぎゅっと握り締めた。
それを見た聖司は満足げに微笑み、最後の律動を開始した。
細腰を掴まれ、狭い小径を太いもので押し広げられ、柔らかな肉襞を強く擦られる。腹の底を突き上げられたかと思いきや、ギリギリまで引き抜かれ、ゆるゆると入口を刺激された後、再び最奥まで貫かれる。
そして中を突かれる度に、中に入りっぱなしだったローターが更に奥に押し込まれていって、骨盤の裏側まで甘く痺れる。失神しそうなくらい気持ちいい。
「ああ、いい……っ、いいです、聖司さ……あぁん!」
「ふ……最初は怖がっていたくせに……ローターごと貫かれるの、やみつきになったか」
「ああっ! んう、うう……はあぁ……んっ!」
「本当に……根っからのドM野郎だな」
そう言う聖司の声にも、艶っぽさが混じっていた。耳元に唇を寄せられ、低い声で直接囁かれる。
「……そろそろ出すからな」
それを聞いた瞬間、鼓膜と共に全身が震えた。無意識に肛門をきゅうっと締めてしまった。食い込んでいる聖司がドクン、と大きく脈打った。
「っ……あっ! ああぁ……っ!」
白濁が腹の間で散ったのと同時に、熱い奔流が体内で迸った。ようやく本来の絶頂に至った開放感と満足感が、全身を満たしていく。
ああ……この感覚、ホントに幸せ……。
「おい、稔」
軽くペシペシ頬を叩かれ、稔はハッと目を開けた。どうやらイった瞬間、数秒だけ軽く失神していたようだ。
「何を呆けているんだ。トッピングの練習をするんじゃなかったのか」
「あ……そ、そうでした……!」
ようやく拘束椅子から解放され、気だるい身体に鞭打って立ち上がる。
見かねた聖司が肩を貸してくれた。
「ありがとうございます、聖司さ……」
その時、ベッド脇の時計がカチッと鳴った。
「……あ」
時間を確認したら、文字盤が「十二」のところを差していた。どうやら日付が変わってしまったようだ。
(あちゃー……当日になっちゃった)
それならそれで仕方がない。稔は聖司を見上げ、笑いかけた。
「聖司さん……お誕生日、おめでとうございます」
「……ああ」
すると聖司はやや照れくさそうに微笑み、くしゃっ、と髪を撫でてくれた。
ともだちにシェアしよう!